
コスタセラ・アマローネのアートラベルコレクションの2017年度のアーティストには、カナダ西海岸の先住民族に伝わる「コースト・サリッシュ・アート」の第一人者、スーザン・A・ポイント氏が選ばれました。彼女の作品がラベルを飾るのは、特別に選ばれたコスタセラ 2000年ヴィンテージ。伝統あるワインと先住民族の芸術が見事に融合した、貴重なコレクションとなっています。
作品の中で繰り返し登場する円のモチーフは「生命の象徴」であり、太陽や月、サーモンの卵、そしてブドウを連想させます。こうしたつながりは、作家自身の歩みをさらに広げ、ヴァルポリチェッラを訪れてその土地の産物を知るきっかけともなりました。

最初にマァジのワインラベルの制作依頼をいただいたとき、まずラフスケッチから始めました。出発点となったのは蝶の羽で、そこからさまざまな要素を加えながら発展させていきました。スケッチを見ていくと、要素が加えられたり削られたりしながら形になっていく過程が分かると思います。すべて手作業で行っています。
制作の初期段階では、北イタリアの蝶や鳥のイメージ、そしてブドウについてもリサーチし、それらをデザインの中に取り入れました。というのも、この作品では異なる文化の融合を表現したいと考えたからです。この土地の先住民の文化と、イタリアの文化の両方を表現しています。
デザインにはさまざまなモチーフを取り入れており、全体としては「大地・海・空」というテーマで構成されています。下部にはサーモンが描かれており、一般的な魚の形も見られます。黒と赤のサーモンは、川を遡上し、また下る姿を表しており、その一生のサイクルを象徴しています。中央には水平線を表す直線があり、これは大地を意味しています。そこから上は空の領域で、大きな鳥はイタリアを象徴する存在として描かれています。反対側には、さりげなく蝶の羽のモチーフが取り入れられています。そして中央にはサーリッシュ族*の女性が描かれており、その顔の半分が見えるようになっています。全体に散りばめられた円は、ワインのブドウを表すと同時に、サーモンの卵も象徴しています。
この作品について私が大切にしているのは、見る人それぞれが自由に解釈できることです。
鑑賞する人は、私自身が意図した以上のものを見出すかもしれません。— スーザン・A・ポイント
*サーリッシュ族:北米北西部に広がる先住民族の言語・文化グループ。コースト・サーリッシュ(Coast Salish)族は、カナダ西海岸〜アメリカ北西部の沿岸地域で海や川の文化(サーモンなど)に強く結びつく人々を指します。
“コスタセラ・コンテンポラリー・アート“とは?
ヴェネト州ヴァルポリチェッラ地区で250年以上の歴史をもつワイン生産者であるマァジ社が、2013年に始めたプロジェクトです。2年ごとにマァジおよびそのワインとゆかりのある国から、国際的に著名なアーティストを選び、同ワイナリーのアイコンワインであるコスタセラ・アマローネとその歴史的ラベルに捧げる作品の制作を依頼しています。作品はフロントラベルに印刷され、アートボトルとして保管できるように、ラベルは特別仕様となって貼り付けがされています。
「文化(culture)」という言葉は「耕す(to cultivate)」という動詞に由来しており、土地を耕す行為は、人々が長年培ってきた知恵の表れにほかなりません。したがって、芸術と優れたワインの生産という二つの文化的表現が意味のある対話を持つことは、決して不思議なことではありません。コスタセラとアートを結びつけることは自然な選択です。古代ローマ時代から造られてきた干しブドウ由来のこの有名なワインは、「アマローネ」という名のもと、現代においては芳醇で特別なワインへと進化してきました。そして今、共通の志のもとにアートと出会っています。この考え方こそが、「コスタセラ・コンテンポラリー・アート」プロジェクト誕生の原点です。
イタリア
ヴェローナ県リヴォリ・ヴェロネーゼのズアネ(アディジェ川右岸の台地)