Cultureカルチャー

2021年7月16日

バーチャルトリップ vol.1 永遠の都「ローマ」

もうすぐ夏休みだというのに、今年も絶望的にステイホームな夏休みになりそうな雰囲気が漂っておりますが、今日は少しでもお出かけした気分になっていただけるようなニュースレターをお届けしたいと思います。ということで、題して『バーチャル・トリップ』! 第1弾は、永遠の都 ローマをご紹介します!(勝手にシリーズ化!!笑)

ローマの街は大きいようで、意外に小さい。でもその中にはたくさんの遺跡や歴史が詰まっているので、メトロやバスを乗り継ぐよりも、エリアを決めて歩きで攻めた方がローマをじっくり堪能できるのでおすすめです!今回は、ローマの王道ではなく、ちょっとしたニッチな情報をお届けしたいと思います。

まずは、ローマ歴史地区の中心ともいえるのが、この真新しいヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂があるヴェネツィア広場。この記念堂、今から100年以上前に建てられた建造物でそれなりに歴史はあるのですが… この背後には2000年の歴史がある遺跡があることを考えれば『超新品!』。

さて、この記念堂に向かって左裏側には、古代ローマ時代には市民の集会や裁判、商業活動や政治討論の場として設けられた公共広場で、古代ローマの発展の中核でもあったフォロ・ロマーノがあります。古代ローマ時代の「霞が関」ともいえる元老院などはここにありますが、ここで多くの人が見逃してしまうのが、ジュリアス・シーザーが火葬されたとされる遺跡。風化により、もはやただの岩になってしまいましたが今でも献花がされています。

再び、ヴェネツィア広場に戻り、今度は記念堂に向かって右裏手にあるのがカンピドーリオ。建物は現在ローマ市庁舎として使われているのですが、その広場はミケランジェロが設計した広場となっており、ユーロ硬貨50セントのデザインにもなっています。

ローマ観光をすると、つい見逃しがちな観光地「カンピドーリオ」ですが、実はミケランジェロの遺産があったり、市庁舎の裏手から見るフォロ・ロマーノとコロッセオの眺めは絶景だったりと見逃せない観光地なのです!

さて、今度はヴェネチア広場の記念堂を背にして、まっすぐ伸びた道を進みます。それが、コルソ通り Via del Corso。いわゆるローマの銀座通りです。そのコルソ通りから一歩入ったところにトレヴィの泉があります。ローマ在住時に日本から来た友達を案内すると、よく聞くのが、「大きな広場にある噴水なのかと思っていた!」という声。実は、このトレヴィの泉、こんな住宅街のど真ん中にあるのです!しかも、この噴水は宮殿の壁面の装飾のために作った物。なんとド派手な!

しかし、この装飾には一部トリックがあるのをご存じですか?
窓も『装飾』の一部として使われているのですが、そのうちの1つが絵窓になっています。どれだか、お分かりですか?

次にコルソ通りから細い小道を奥に入っていくと、突然目の前が開けます。そこがパンテオンのあるロトンダ広場。紀元前に建設された屋根の真ん中に穴がぽっかり開いている神殿として有名ですが、こちらにあるのがラファエロのお墓。入って左手の奥に今でもラファエロが眠っています。

ここで、少し芸術のお話。 ローマと言うとコロッセオやスペイン階段、サンピエトロ寺院など遺跡や建築物が見もののように思いますが、実は芸術の街でもあるのです!

ヴァチカン美術館には、社会科の教科書でも見かけるラファエロの「アテネの学童」
ローマでミケランジェロの代表作と言えば、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」と「天井画」
このサンピエトロ寺院のクーポラもミケランジェロの設計です。

ルネッサンスの三大巨匠にも上げられるミケランジェロやラファエロの作品の多くは、フィレンツェなどにありますが、実はローマにもたくさんあるのです。そして、それに加えて忘れてならないのが、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ。ベルニーニを語らずしてローマを語ることができないほど、ローマの建築に貢献した一人でもあります。

まずは、ヴァチカン サンピエトロ広場。広場の真ん中当たりにこのような小さな円があります。この円の中に立ってみると…。なんと4重になっている回廊の柱がピシっと一列に並びます! この広場をベルニーニが設計しました。

このようにローマの至るところに、当たり前のようにベルニーニ作の作品が点在しています。そして、ローマに行ったならば一度は見ていただきたい彫刻がボルゲーゼ美術館にある『プロセルピナの略奪』。柔らかそうな太ももに食い込む指先が、大理石であると言うことを忘れさせます。


最後にローマの食を少しだけご紹介! ローマというと、カルボナーラやアマトリチャーナを思い浮かべるかと思いますが、ぜひ食べていただきたい一品がコレ! フィレッティ・ディ・バッカラ・アッラ・ロマーナ。ひとことで言うと、ローマ風タラの天ぷら。バッカラとは、タラの身を塩漬けにし、カラカラのミイラのように干したもの。これを一晩かけて流水で戻し、フライにしたものがフィレッティ・ディ・バッカラ。これをキンキンに冷えたビールやフラスカーティのワインで食べるのがローマ流。

ローマの隠れたソウルフード。ぜひ、お試しください!

ラッツィオ州には、目立ったワイナリーがありませんがこの軽いフラスカーティとフリットの相性は抜群!国内ではバッカラは入手困難かと思いますので、ぜひこれらのレシピとペアリングしてみてはいかがでしょうか?

シーフードと野菜のフリッター
白 身 魚 とドライトマトのエスカベッシュ
野菜ソースの冷製カッペリーニ

合わせるワインは・・・

フラスカーティ