アルト・ピエモンテ（「アルト」は“北”を意味します）と呼ばれるこの地域は、華やかなランゲとは異なる、より山の気配が濃い土地。北にそびえるモンテローザの存在が気候に深く影響を与えています。

「ピエモンテ」とは「山の麓」という意味で、その名の通りアルプスの山々のふもとに広がる地域です。とりわけガッティナーラのエリアは、約2億8千万年前の火山活動に由来する岩石が、長い年月をかけて風化して形成された特有の土壌の上にあります。この土壌には花崗岩や斑岩、石英、長石、鉄などが豊富に含まれており、イタリアでもまれなこの組み合わせが、この土地ならではのテロワールを形づくっています。ガッティナーラのワインに感じられるミネラル感、鮮烈なアロマ、引き締まった酸、きめ細かなタンニンは、この特異な土壌から生まれるものです。

また、アルプスから吹き下ろす風のおかげで、ブドウ畑には常にさわやかな風が通り、霧がほとんど発生しないため、この地域では”スパンナ“とも呼ばれるネッビオーロが理想的な環境で育ちます。うした条件が、エレガントなネッビオーロをつくり出す理想的な微気候となっています。

ピエモンテ州は、イタリアの中でも特に美食文化が豊かな地域として知られており、力強い味わいの料理や上質な食材、そして長い歴史に育まれた伝統料理が数多く存在します。 ガッティナーラは、イタリア有数の稲作地帯であるポー平原にも近い場所にあります。ノヴァーラやヴェルチェッリ一帯に広がる広大な水田は、米を中心とした食文化を育んできました。

リゾット・アル・ガッティナーラ（Risotto al Gattinara）

ガッティナーラを贅沢に使ったこの濃厚なリゾットは、ゴルゴンゾーラと合わせても相性がよく、さらに深みのある味わいが楽しめます。

パニッサ（Panissa）

素朴で満足感のある一皿で、米、豆、サラミ、豚の皮をゆっくりと煮込んで作られます。
ヴェルチェッリやノヴァーラ周辺で生まれ、家庭の味として親しまれ、ピエモンテの農村文化に深く根ざした温かみのあるレシピです。

ヴィテッロ・トンナート（Vitello Tonnato）

ピエモンテ料理を代表する一皿で、18世紀に生まれたとされています。
柔らかくローストした仔牛肉の薄切りに、ツナ、ケッパー、時にはアンチョビを使ったクリーミーなソースをかけていただく、伝統的で非常に人気の高い料理です。

トラヴァリーニ家がガッティナーラでブドウを育て始めたのは19世紀。1958年、ジャンカルロ・トラヴァリーニがワイナリーを創設し、同じ年に現在の象徴ともいえる独特のボトルを考案しました。

芸術品のようなこのカーブだけでなく、ガッティナーラが長期熟成の過程で生み出す天然の澱をボトル内にとどめ、デキャンタージュをせずにそのままワインを注ぐために設計された形なのです。
この唯一無二のボトルシェイプは商標登録されています。