Cultureカルチャー

2022年9月23日

トスカーナの名門フレスコバルディ家が造る、日本初登場キアンティ・クラッシコ「テヌータ・ペラーノ」

先日、英国史上最長の君主として世界中から愛されてきたエリザベス2世がお亡くなりになりました。今日はこの英国王室と非常に所縁の深いイタリアのワイナリーをご紹介しましょう。

英国王室と最も関係が深く、何世紀も前から現在に至るまで交流があるワイン生産者といえば、トスカーナの名門「フレスコバルディ」です。

フレスコバルディは、トスカーナの大地の多様性を称賛し、トスカーナの洗練された最高品質のワインを造ることに情熱を注ぐ生産者です。ワイン造りの歴史は現在に至るまで700年以上を誇り、トスカーナで最も美しい風景の中に、11の古城や歴史的邸宅を利用したワインエステートを点在させています。各エステートは、それぞれのブドウ畑とワイナリーを持ち、それぞれのテロワールの個性が光る、世界的に評価の高いワインが造られています。

フレスコバルディ家の歴史は1000年以上昔に始まり、常にトスカーナの歴史と非常に密接でした。中世のフィレンツェの最盛期には、繊維業を経て有力な銀行家として名を馳せ、その後ルネッサンスが花開いた頃、サンタ・トリニタ橋やサント・スピリト教会の建設など、フィレンツェの著名な事業のパトロンとして活躍し、政治と経済活動の絶対的主導者となりました。

▲フィレンツェの中心部、アルノ川にかかるサンタ・トリニタ橋、奥に見えるサント・スピリト教会は共にフレスコバルディ家によって建設されました。左にはフレスコバルディ宮とフレスコバルディ広場、フィレンツェにはフレスコバルディ家にまつわるものがたくさんあります!

フレスコバルディ家と英国ロイヤル・ファミリーと関係は1304年に始まりました。

イングランド王エドワード1世と後継者のヘンリー8世は、イングランドの王宮にワインを供給するようにと、フレスコバルディ家と契約を結びました。エドワード1世は財政的にフレスコバルディ家からの融資に頼っていたこと、またヘンリー8世はフレスコバルディ家への融資の返済がかなり残っていると伝えられており、英王室は様々な形でフレスコバルディに恩義を感じているとも言われています。

さて、トスカーナの各地にエステートを構えるフレスコバルディですが、北東部のニポッツァーノ城には、新国王チャールズ3世が訪れた時の写真が飾ってあります。

1986年に、ダイアナ妃を連れてニポッツァーノ城を訪問したチャールズ皇太子(当時)は、ブドウやオリーブの木の植樹を行いました。そこで育まれた友情をきっかけに、チャールズ3世には毎年フレスコバルディのワインとオリーブオイルが贈られているそうです。また、滞在はホテルではなく、フレスコバルディ家の邸宅に宿泊したそうで、ここからも関係の深さが伺えますね。

写真中央:植樹を行うチャールズ皇太子(当時)
中央:チャールズ皇太子(当時)とボナ・フレスコバルディ侯爵夫人 右:レオナルド・フレスコバルディ侯爵(同社名誉会長)

また、トスカーナの南側、モンタルチーノにあるカステルジョコンド・エステートには、ヴィットリオとボナ・フレスコバルディ夫妻がウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式で、幸せそうな新婚の二人と一緒に写っている写真と共に、結婚祝いのワインへの感謝状が飾られています。

写真:カステルジョコンド・エステート
写真:カステルジョコンド・リゼルヴァ

それもそのはず、2017年に行われたウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式には、ヴィットリオ・フレスコバルディ侯爵(29代目当主)とボナ夫人が、唯一のイタリアからの招待客として参列し、お祝いの品として、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・カステルジョコンド・リゼルヴァをプレゼントしたからです。

さて、このように1300年代からワイン造りを開始し、同時に英王室との友情を長い間育んできたフレスコバルディ家ですが、数年前に新しいエステートが誕生しました。

それは、世界的に有名なイタリアを代表するワインともいえる“キアンティ・クラッシコ”地区に誕生した、「テヌータ・ペラーノ」です。

写真:ペラーノ

フレスコバルディの最新エステートであるテヌータ ペラーノは、キアンティ・クラッシコ地区の心臓部“ガイオーレ・イン・キアンティ”の、南西向きで標高420〜650mに位置する自然が形作った実に美しい円形劇場型の畑の中に位置しています。

そのユニークなすり鉢状の地形が集める暖かさと太陽の光の恩恵を受けており、日中には暖かい南風、夕方には冷涼な山風に恵まれ、理想的な寒暖差を享受しています。土壌は石に富み、粘土、シルト、地元のキャンティ・アルベレーゼとガレストロの泥灰土、そして白亜の砂岩などを含み、15〜20度という理想的な傾斜とともに、優れた水捌けと風の流れをもたらし、乾燥した、ブドウの木の健康にとって理想的な環境を備えています。

「植物の自然な状態から最高で最善のものを得ること」を目的とし、最小限の人的介入によって、この自然遺産を維持しています。肥料は緑肥を使用し、ワイナリーの発酵プロセスでは土着酵母を使用し、この土地の純粋なエッセンスをワインに反映しています。

また、このエステートにはレストランが併設してあり、地元の食材を使用した、伝統的なトスカーナの郷土料理を楽しむことが出来ます。

キアンティ・クラッシコはもちろん、トスカーナの王道、Tボーンステーキとの相性が抜群なのは言うまでもありませんが、すっかり秋めいてきた今の時期に是非オススメしたいのは、黒トリュフのラヴィオリと、テヌータ・ペラーノ・キアンティ・クラッシコのペアリングです。

テヌータ・ペラーノ・キアンティ・クラッシコは、サンジョヴェーゼ主体に少量のメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたワインです。

ブドウは手摘みで収穫され、温度管理されたステンレスタンクで丁寧にマセラシオンを行い、十分なポリフェノールを抽出して最適な色味と独特のストラクチャーを引き出します。その後、一部は木樽で熟成して第3アロマとなる成分の香りを丁寧に凝縮していきます。

深みがあり上品に鮮やかに輝く赤いルビー色、アルコール漬けの果実や、赤や黒の果実の特徴的な香りに、スミレなどのフローラルさと繊細で淡いスパイス香が続きます。フィニッシュは、驚くほどのフレッシュさが上品な深みを引き立てています。良質な酸とアルコールのバランスに優れたワインで、豊かな風味だけではなく、時間とともに洗練されていくタンニンは、フィニッシュにかけて滑らかさをも感じさせます。

熟して芳しい香りを放つこの時期のトリュフにまさにぴったりの1本!

この時期だけの特別な秋の味覚と一緒に、是非ご堪能ください!

テヌータ・ペラーノを美しい映像でもご覧ください

※本記事は2022年9月に執筆されたものです。