main dish 魚のパピヨット

魚のパピヨット

フランスでは、アルミホイルで包んで焼いた料理のことをパピヨットといいます

「パピヨット(papillote)」は、「パピヨン(papillon)=蝶」の小さなものを表す古いフランス語が語源です。私の祖母が若いころ、フランスでは髪の毛をカールさせるカールペーパーのことをパピヨットと呼んでいました。蝶のように見えたのでそのように呼んだのでしょう。さらに、骨つき肉やもも肉の骨につける紙飾りのこともパピョットといいます。また、フランスのレストランでは光沢紙で、家庭ではアルミホイルに包んで焼いた料理のことも、パピヨットといいます。こうして魚を調理すると、パサつかず、魚から出る水分で煮るため香りも飛びません。また、台所にくさみも残らず、調理用器具も汚さずに済みますので、主婦にとってはありがたいグッズです。

この料理、フランスでは1人分ずつのパピヨットにしますが、イタリアでは全員用に大きなものをひとつつくるほうが好まれます。

魚は丸ごと一匹使うのが理想的ですが、切り身でも十分代用できます。

もし、大きな魚を調理する場合は、自宅のオーブンのサイズに合わせたものにしましょう。私には以前、魚が大きすぎてオープンに入りきらず、鮭の頭を切り落として焼いたという失敗経験があります。食卓に出す時に、再び頭をつけて盛りつけたのですが、それには大変苦労しました。

ちなみに、ヨーロッパでは、魚は6月が一番おいしく、魚を食べると頭がよくなるといわれています。

材料(4人分)

  • …1尾(1kg)、小さい鯛なら4匹
  • アルミホイル
  • フェンネルの種
  • たまねぎ
  • レモン汁
  • オリーブオイル

作り方

  • 鯛はウロコや内臓を取り除き、十分に水気を取ります。
  • アルミホイルにオリーブオイルを塗り、そこに1の鯛をのせ、両面に塩・こしょうで味付けをし、フェンネルの種を鯛の上にかけます。
  • たまねぎをスライスし、2の鯛にのせ、さらにその上から、レモン汁とオリーブオイルをかけます。
  • アルミホイルでしっかり密閉し、200Cのオーブンで焼きます。焼き時間は、大きい魚なら約20分、小さい魚は10分程度。魚の目が完全に白くなったら、魚は焼き上がっています。

ミシェルアンドレコーヘン
Michele Andree Cohen

第二次世界大戦中の1939年12月、フランスのトゥールで生まれる。終戦後の1946年にトゥールからパリに移り、結婚するまでの15年間パリで暮らす。料理上手な母から、伝統的なフランス料理の他、アルザスの料理や、父親の故郷であるロレーヌ地方の料理を教わる。
バカロレア(大学入学資格)を取得後、PRの専門学校に入学。卒業後、企業PRに関わるレセプションに携わった。
1961年、エジプト出身のイタリア人と結婚。義母もまた料理上手で有名な人で、義母からイタリア料理や中東料理の手ほどきを受ける。その後5年間、商社に勤める夫の仕事の関係で、北アフリカのスーダンの首都ハルッームに住む。ここでシリア人、リベリア人、ギリシャ人、イタリア人など、さまざまな国の友人ができ、その友人たちからそれぞれの母国の料理を教わる。
1966年、イタリア・フィレンツェへ家族とともに移住し、その1年後、夫の赴任で日本へ。1992年に日本を離れるまで、日本でもまた、料理上手なイタリア人の友人たちやさまざまな国の友人と出会い、イタリア料理はもちろんのこと、日本料理、中華料理、インド料理など、幅広い料理の知識を得る機会に恵まれる。
友人たちのすすめで料理教室を開き、10年ほど、自宅で料理教室を主宰。料理をつくりながら語る、歴史やルーツなど、料理にまつわる「物語」が好評で、この経験が、日本を離れて18年たった今、料理本の出版を実現させることにつながった。
また、1980年ごろの日本ではまだほとんど知られていなかったティラミスを、日本に広めるきっかけをつくった功労者のひとりでもある。夫が日本に初めて輸入したフレッシュマスカルポーネチーズの販促活動をサポートするため、食品見本市でフレッシュマスカルポーネチーズを使ったティラミスの試食会を行い、これが評判を呼び、ティラミスが一気に全国的に知られることになる。フランスでレセプションの仕事をしていた経験がここで生きた結果となった。現在はスイス・ジュネーブで夫と2人で暮らしている。結婚し家庭を持った3人の子どもたちは日本、ドイツ、フランスで暮らしているが、年に2回は家族全員が集まる。家族に会い、料理を振る舞うことが何よりの楽しみ。マンマ(mamma)は今、8人の孫のノンナ(nonnaおばあちゃん)でもある。