pasta risotto スパゲッティカルボナーラ

スパゲッティカルボナーラ

こしょうを効かせてスパイシーに
味わいがふくらみます

「カルボナーラ(Carbonara)」の語源は「カルボーネ(Carbone)」で、イタリア語で炭という意味です。ローマに近いラチオ山で炭焼きをしていた人々によって考えられたこの料理は、ローマ地方がルーツになっています。

カルボナーラは、夫の大好物のひとつで、彼は自分でもよくつくっています。そんな夫には、彼が社長を務める会社の歴史に残るようなカルボナーラをつくってしまったエピソードがあります。

当時彼は、日曜日になるとホームシックになりがちなイタリア人独身男性の部下たちを家に招いて、昼食をともにしながらイタリアの話をするのを楽しみにしていました。ある日、夫は彼らとの話に熱中してしまい、でき上がったカルボナーラの上で、こしょう挽きをいつまでもぐるぐる回し続けていました。それをずっと見ていた部下たちは、ボスにそのことをなかなかいい出せずにいたのですが、たまりかねた勇気ある人が思い切って「あの⋯⋯カルボナーラ風でしょうか、それともチェネーレ(cenere/灰かぶり)風をつくっているのでしょうか?」と尋ねました。それもそのはず、スパゲティは、灰をかぶったようになっていたのです。ところが食べてみると「スパイシーでおいしい!」と全員が口を揃えていうのです。しかも、ワインまでもがいつもよりおいしく感じるとも・・・。

「こしょうは消化を促し、エネルギーの源になる刺激物のひとつなので、料理に使う時は控えめにすること。神経質で感じやすい人はこしょうを差し控えること」と忠告していた、18世紀に実在したフランスの医者がこのことを知ったらどう思ったでしょうか。カルボナーラを食べるたびに、私はこの出来事を思い出します。

材料(4人分)

  • ベーコン …100g
  • スパゲティ …400g
  • …4個
  • おろしたパルメザンチーズ …大さじ3
  • こしょう …小さじ1/2

作り方

  • ベーコンは棒状に切り、フライパンでゆっくりとこんがりするまで炒めます。
  • スパゲティは、沸騰した湯に塩を入れゆでます。
  • スパゲティをゆでている間に、大きめの深皿の中で卵を攪拌しておきます。
  • ③におろしたパルメザンチーズを加えてよく混ぜます。
  • スパゲティがゆで上がったら、水切りをして、③の深皿に3回に分けて混ぜ合わせていきます。
  • ③に①のベーコンと、挽きたてのこしょうを加えよく混ぜて、すぐに食卓に出します。
  • ※スパゲティに卵のソースをからめる時は3回くらいに分け、からめたらよくかき混ぜること。熱いスパゲティによって卵が煮えてしまったり、ソースがしっとりしなくなったりするのを防ぐためです。

ミシェルアンドレコーヘン
Michele Andree Cohen

第二次世界大戦中の1939年12月、フランスのトゥールで生まれる。終戦後の1946年にトゥールからパリに移り、結婚するまでの15年間パリで暮らす。料理上手な母から、伝統的なフランス料理の他、アルザスの料理や、父親の故郷であるロレーヌ地方の料理を教わる。
バカロレア(大学入学資格)を取得後、PRの専門学校に入学。卒業後、企業PRに関わるレセプションに携わった。
1961年、エジプト出身のイタリア人と結婚。義母もまた料理上手で有名な人で、義母からイタリア料理や中東料理の手ほどきを受ける。その後5年間、商社に勤める夫の仕事の関係で、北アフリカのスーダンの首都ハルッームに住む。ここでシリア人、リベリア人、ギリシャ人、イタリア人など、さまざまな国の友人ができ、その友人たちからそれぞれの母国の料理を教わる。
1966年、イタリア・フィレンツェへ家族とともに移住し、その1年後、夫の赴任で日本へ。1992年に日本を離れるまで、日本でもまた、料理上手なイタリア人の友人たちやさまざまな国の友人と出会い、イタリア料理はもちろんのこと、日本料理、中華料理、インド料理など、幅広い料理の知識を得る機会に恵まれる。
友人たちのすすめで料理教室を開き、10年ほど、自宅で料理教室を主宰。料理をつくりながら語る、歴史やルーツなど、料理にまつわる「物語」が好評で、この経験が、日本を離れて18年たった今、料理本の出版を実現させることにつながった。
また、1980年ごろの日本ではまだほとんど知られていなかったティラミスを、日本に広めるきっかけをつくった功労者のひとりでもある。夫が日本に初めて輸入したフレッシュマスカルポーネチーズの販促活動をサポートするため、食品見本市でフレッシュマスカルポーネチーズを使ったティラミスの試食会を行い、これが評判を呼び、ティラミスが一気に全国的に知られることになる。フランスでレセプションの仕事をしていた経験がここで生きた結果となった。現在はスイス・ジュネーブで夫と2人で暮らしている。結婚し家庭を持った3人の子どもたちは日本、ドイツ、フランスで暮らしているが、年に2回は家族全員が集まる。家族に会い、料理を振る舞うことが何よりの楽しみ。マンマ(mamma)は今、8人の孫のノンナ(nonnaおばあちゃん)でもある。

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