Wine&Liquorブドウ品種辞典
Sangioveseサンジョヴェーゼ
主な栽培地域
トスカーナ州、エミリア・ロマーニャ州、マルケ州
特徴
イタリアで最も多く栽培されている品種です。サンジョヴェーゼの名前の由来についてはいくつかの説があり、最も有名なのは「ジュピター(ローマ神話の主神)の血」ですが、その起源については専門家の間でも意見が一致していません。
サンジョヴェーゼは長い歴史を持つブドウで、広く普及しているため、多くのバイオタイプやクローンが存在します。専門家のなかでは、サンジョヴェーゼのバイオタイプをグロッソとピッコロだけに限定することは、あまりにも簡略化しすぎな説であるとされています。スカンサーノの地域だけでも、30以上の異なるバイオタイプがあると考えられていますが、この沿岸地域では、この品種に関する研究は、今のところあまり行われていません。
サンジョヴェーゼは多様な地域で生産されており、場所ごとに異なる名称で知られています。トスカーナ海岸のスカンサーノのエリアではモレッリーノと呼ばれ、モンタルチーノではブルネッロ、モンテプルチアーノではプルニョーロ・ジェンティーレ。キアンティ・クラッシコの一部ではサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレやサンジョヴェートと呼ばれています。これらは、現在の研究ではすべて同じサンジョヴェーゼだとされています。しかし、プルニョーロ・ジェンティーレとブルネッロは、国家登録簿では誤って別々に登録されています。
フランスのコルシカ島ではニエッルッチョ(Nielluccio)、アルジェリアではToustainと呼ばれています。
代表的格付
トスカーナ州:キアンティDOCG、キアンティ・クラシコDOCG、ロッソ・ディ・モンタルチーノDOC、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG、ロッソ・ディ・モンテプルチアーノDOC、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノDOCG、モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCG、カルミニャーノDOCG
マルケ州: ロッソ・ピチェーノDOC
エミリア・ロマーニャ州:ロマーニャDOC
トスカーナ州、エミリア・ロマーニャ州、プーリア州がサンジョヴェーゼの栽培面積の80%以上を占めています。サンジョヴェーゼは、ヴァッレ・ダオスタ州とトレンティーノ・アルト・アディジェ州を除くすべての州で栽培されています。
色・香り・味わい
鮮やかなルビーからガーネットまで様々な色彩のワインになります。高品質なサンジョヴェーゼはアントシアニンを含んでいるため、決して漆黒の色合いにはならないとされています。
全体的には、レッドチェリー、ブラックチェリー、甘草、紅茶、スミレのニュアンスが感じられます。熟成させると、革や下草、タバコのような香りも現れます。いずれにしても、サンジョヴェーゼは常に高い酸と際立ったタンニンが特徴です。
栽培地、生産者、熟成方法によって、ミディアムボディかそれ以上で、中程度のアルコール度数のワインとなります。
スタイル
ほとんどの場合、辛口のスティル赤ワインとして醸造されます。サンジョヴェーゼの栽培面積は非常に広く、様々なミクロクリマ(微気候)の影響を受けやすいため、また、単一ワインやブレンドワインの両方が造られるため、スタイルは大きく異なります。
マルヴァジア・ネラ、カナイオーロ・ネロ、マンモーロなどのトスカーナ原産のブドウは、新鮮さと香りをもたらす優れたブレンドパートナーです(とくにマンモーロ)。しかし、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーなどの国際品種がブレンドされることも珍しくありません。これらの品種は、色やリッチさなどの要素を加え、サンジョヴェーゼの豊かな酸を和らげるために使用されます。
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