Cultureカルチャー
2026年4月9日
【JET CUP】チャンピオンツアー Vol.9
第16回 チャンピオン 山田 琢馬氏
イタリア研修 9日目 BORGOGNO 訪問

イタリア研修 9日目 BORGOGNO 訪問
今回の旅の終着点はピエモンテ。初めて降り立ったアルバの街に、胸が高鳴った。BORGOGNOは、そのアルバから車で約30分。バローロ村の中心に位置する、歴史あるワイナリーだ。
BORGOGNO(ボルゴーニョ)
1761年にバルトロメオ・ボルゴーニョにより、ワイナリーが創設されました。その後、1920年に”天才”チェーザレ・ボルゴーニョがワイナリーの指揮を執り、海外への輸出、また、生産したワインの半数を20年後に販売するために保管をするという画期的な改革を行い、ボルゴーニョの名前をイタリア国内だけでなく、世界的にも有名にしました。2008年にファリネッティ家がボルゴーニョ社のオーナーとなり、2010年からアンドレア・ファリネッティ氏がオーナー兼醸造責任者としてワイナリーの舵取りをしています。Liste、Cannubi e Cannubi San Lorenzo、Fossati、San Pietro delle Violeなどの代表的な畑があります。
ワイナリー見学に先立ち、彼らが手配してくれたバローロのレストランでランチをいただく。 地元の名物料理であるVitello TonnatoとAgnolotti del Plinを前に、「とうとうバローロに来たのだ」という実感が、じわじわと湧いてきた。グラスには彼らのティモラッソとバローロ。日本で飲むティモラッソと比べると、酸はより生き生きとしており、ミネラル感も明確だ。メインディッシュというより、Vitello Tonnatoのような肉を使った冷菜との相性の良さが印象的で、このワインの立ち位置を再認識させられた。
その後、醸造設備からセラー、テイスティングルーム、そして展望台まで、丁寧に案内してもらう。 BORGOGNOの歴史は1761年に遡る。5世代にわたりワイン造りを続けてきたが、後継者不在により、電化製品で知られるファリネッティ家が所有することに。現在も「量より質」を重視する哲学は変わらず、バローロで42haもの畑を所有している。 Cannubi、Fossati、Liste、Case Nere、Annunziata、San Lorenzoまさに綺羅星のようなMGAが名を連ねる。

ワイナリー見学では、伝統を重んじながらも、時代に応じた革新を取り入れる姿勢が随所に感じられた。伝統的に大樽とセメントタンクを用いてきたが、発酵やマセラシオン期間自体は昔から大きく変えていないという。一方で近年は、量産から品質重視へと舵を切り、より緻密な熟成管理を行うために中型樽を増やしている。さらに試験的にテラコッタの使用も始めており、その経過を慎重に見極めているとのことだった。


テイスティングでは、ほぼ全ラインナップを試飲。まず驚かされたのがLanghe Bartome 2023。近年、Langhe名義でエントリーレベルをリリースする生産者が増えているが、 BORGOGNOもその一例だという。
彼ら曰く、Baroloだけでなく「Langhe」という地名自体を、より広くアピールしていきたい狙いがあるそうだ。ネッビオーロらしいソリッドなタンニンは保ちながらも、華やかで親しみやすい表情。‘‘骨格があり長熟”というバローロのイメージとは対照的で、より広い消費層に受け入れられ るスタイルは、ネッビオーロという品種への理想的な導入口だと感じた。
単一畑のMGAシリーズもどれも素晴らしく、Fossati →Cannubi→Listeへと移ろう力強さのコントラストが明確に表現されていた。 Fossati とCannubiでは、一部全房発酵を取り入れ始めたとのこと。華やかさとタンニンの丸みが共存し、料理ジャンルを問わず幅広いシーンでの活躍が期待できる仕上がりだ。

テイスティングの締めくくりは、Barolo Riserva1982ばかりの展望台から、夕暮れのバローロを一望しながら味わう一杯は、この上なく贅沢な体験だった。教科書で見たことのある畑が、目の前に広がっている。

今回の訪問を通じて、アクセスの良さはもちろん、バローロ村全体が「ワイン造りとツーリズムに特化した村」であることを強く実感した。世界中のワインラバーに愛され続ける理由を、五感で体験できた一日だった。

