pasta risotto ジェノヴァ風トレネッテ

ジェノヴァ風トレネッテ

ペストは、バジル、にんにく、オリーブ、くるみを押しつぶしてつくったソースのことです

「ペスト」とはバジルをベースにしたソースのことで、イタリアのリグーリア州・ジェノヴァの郷土料理によく使われています。

リグーリア州の人々は、料理における創造性が豊かだといわれていて、彼らは身近に生育する植物を料理に利用するのがとても上手です。バジル、にんにく、オリーブ、くるみなどが同じ畑内で栽培されているのはよく見る光景で、この4つの食材を「押しつぶして」彼らは「ペスト」をつくりました(押しつぶすことをイタリア語で「ペスターレ」といいます)。ペストは、フランス・マルセイユに至るまでの地中海沿岸でよくつくられています(イタリアの国境を越えてフランスに入ると「ペスト(pesto)」は「ピストゥ(pistou)」に変わります)。

ところで、バジルの原産地はインドです。語源は「王の」という意味のギリシャ語「バジリコン(basilikon)」。古代ギリシャでは、バジルは王室のための植物と見なされ、君主のみが金の鎌で採ることが許されていたとか。そんなバジルも、現在は世界中で重用されています。

新鮮なバジルを使うこと、それがこの料理を一番おいしくつくるコッです。もしバジルが余ってしまったら、ペストにして冷凍するといいでしょう。バジルは一度切るとすぐに黒くなり、その香りもたちまち失ってしまうので、生のまま保存しても次に使うことはできません。私は冷凍したペストを、野菜スープや煮魚に使っています。スプーン一杯のペストを加えるだけで味がとても引き立ちます。試してみてください。

材料(4人分)

  • バジル …25〜30枚
  • …ひとつまみ
  • くるみまたは松の実 …20g
  • にんにく …2片
  • おろしたパルメザンチーズ …大さじ4
  • オリーブオイル …100ml
  • じゃがいも …2個
  • さやいんげん …50g
  • トレネッテ(パスタ) …250g

作り方

  • バジルは洗わずに、キッチンペーパーなどでよく拭き、ミキサーまたはフードプロセッサーに入れます。
  • 1に塩、くるみまたは松の実、にんにく、おろしたパルメザンチーズ大さじ2を入れて攪拌します。
  • 2にオリーブオイルを少しずつ加えながら、さらに泡立て器で混ぜペストのでき上がり(使用するまでの間、空 気との接触を避けるためにふたをしておく)。
  • じゃがいもは皮をむき、大きめの角切りにし、沸騰したお湯(水4ℓ、塩40g)に入れてゆでます。
  • さやいんげんは筋を取り半分に切り、じゃがいもがゆで上がったころ(約10分後)に4の鍋に入れ、それから5分後、同じ鍋にパスタを入れます。
  • パスタがゆで上がったら100ml分のゆで汁を取っておき、全体をお湯切りして深い皿に入れ、おろしたパルメザンチーズ大さじ2を入れてよく混ぜます。
  • ゆで汁で3のペストをのばし、6のパスタにまぶします。
  • ※じゃがいもとさやいんげんを使わない、シンプルなパスタだけの場合、トレネッテの量は400gにしてください。

ミシェルアンドレコーヘン
Michele Andree Cohen

第二次世界大戦中の1939年12月、フランスのトゥールで生まれる。終戦後の1946年にトゥールからパリに移り、結婚するまでの15年間パリで暮らす。料理上手な母から、伝統的なフランス料理の他、アルザスの料理や、父親の故郷であるロレーヌ地方の料理を教わる。
バカロレア(大学入学資格)を取得後、PRの専門学校に入学。卒業後、企業PRに関わるレセプションに携わった。
1961年、エジプト出身のイタリア人と結婚。義母もまた料理上手で有名な人で、義母からイタリア料理や中東料理の手ほどきを受ける。その後5年間、商社に勤める夫の仕事の関係で、北アフリカのスーダンの首都ハルッームに住む。ここでシリア人、リベリア人、ギリシャ人、イタリア人など、さまざまな国の友人ができ、その友人たちからそれぞれの母国の料理を教わる。
1966年、イタリア・フィレンツェへ家族とともに移住し、その1年後、夫の赴任で日本へ。1992年に日本を離れるまで、日本でもまた、料理上手なイタリア人の友人たちやさまざまな国の友人と出会い、イタリア料理はもちろんのこと、日本料理、中華料理、インド料理など、幅広い料理の知識を得る機会に恵まれる。
友人たちのすすめで料理教室を開き、10年ほど、自宅で料理教室を主宰。料理をつくりながら語る、歴史やルーツなど、料理にまつわる「物語」が好評で、この経験が、日本を離れて18年たった今、料理本の出版を実現させることにつながった。
また、1980年ごろの日本ではまだほとんど知られていなかったティラミスを、日本に広めるきっかけをつくった功労者のひとりでもある。夫が日本に初めて輸入したフレッシュマスカルポーネチーズの販促活動をサポートするため、食品見本市でフレッシュマスカルポーネチーズを使ったティラミスの試食会を行い、これが評判を呼び、ティラミスが一気に全国的に知られることになる。フランスでレセプションの仕事をしていた経験がここで生きた結果となった。現在はスイス・ジュネーブで夫と2人で暮らしている。結婚し家庭を持った3人の子どもたちは日本、ドイツ、フランスで暮らしているが、年に2回は家族全員が集まる。家族に会い、料理を振る舞うことが何よりの楽しみ。マンマ(mamma)は今、8人の孫のノンナ(nonnaおばあちゃん)でもある。