soup モロヘイヤスープ

モロヘイヤスープ

エジプトで暮らした義母から教わったエジプトの代表料理

モロヘイヤスープは、エジプトの代表料理です。また、古代エジプトの君主ファラオたちの墓の壁画に、モロヘイヤスープをつくっている女性たちの姿が描かれていることから、世界で最も古い料理ではないかといっている専門家もいます。

エジプトの農家の主婦たちは、今でもこのスープをほぼ毎日つくっています。彼女たちは、大きな壺を頭にのせて、畑で働く夫たちにこのスープを届けるのです。そして、家計が豊かになるのと並行して、モロヘイヤを水だけで煮たスープから、肉や卵が入ったスープへと質が上がっていくそうで、スープの中身を見れば、その家庭の経済事情がわかってしまうというのはとてもおもしろいです。

中東やアフリカ原産のモロヘイヤは、カリウムやカロテン、ビタミン Aなどが多く含まれている植物で、今は日本でも栽培されるようになり、決して珍しい野菜ではなくなりました。

そこで、エキゾチックな料理がお好きな方のために、人生の大部分をエジプトで過ごした私の義母から教わった、簡単なレシピをご紹介します。

ところで、このモロヘイヤスープには、にんにくをベースにしたターリアというソースを使います。にんにくの芽は必ず取るようにしてください。フランスのプロヴァンス地方の人々は、この芽のことを「後悔」と呼んでいます。このようなものは持たないのが賢明ですね。

材料(4人分)

  • チキンブイヨン …1200ml (または固形チキンブイヨン3個+水)
  • 紫たまねぎ …2個
  • …適宜
  • モロヘイヤ …4束
  • にんにく …3、4片
  • オリーブオイル …大さじ1
  • 粉末コリアンダー …小さじ1/2
  • チリペッパー …小さじ1/2
  • ごはん …適宜

作り方

  • 大きめの鍋に、チキンブイヨンまたは固形チキンブイヨン+水を入れます。チキンブイヨンをつくる時に使った鶏肉は、盛りつけ時に使うため、骨をはずし残りのブイヨンに戻し浸しておきます。
  • 紫たまねぎは薄くスライスし、ボウルに入れます。水で薄めた酢で数時間マリネします。
  • モロヘイヤは茎から葉をはがします(茎が入るとスープが粘っこくなるため、茎は入れないこと)。葉はよく洗い、水気を取った後、みじん切りにします。できるだけ細かくしてください。
  • にんにくをつぶし、オリーブオイルを入れて温めた小さめのフライパンで炒めます。約1分後、粉末コリアンダーとチリペッパー(一味唐辛子でもよい)を加え、混ぜ続けながらさらに約1分加熱します。
  • 1のチキンブイヨンに3のモロヘイヤを入れ、モロヘイヤが下に沈まないように時々かき混ぜながら5分煮ます。
  • 5に4を加え、かき混ぜながらさらに2分煮ます。
  • 深めのスープ皿にまずはごはんを入れ(できれば、チキンブイヨンで炊いたもの)、鶏肉をのせ(なくても可)、全体が浸るくらいにスープを入れ、紫たまねぎを散りばめて食卓に出します。

ミシェルアンドレコーヘン
Michele Andree Cohen

第二次世界大戦中の1939年12月、フランスのトゥールで生まれる。終戦後の1946年にトゥールからパリに移り、結婚するまでの15年間パリで暮らす。料理上手な母から、伝統的なフランス料理の他、アルザスの料理や、父親の故郷であるロレーヌ地方の料理を教わる。
バカロレア(大学入学資格)を取得後、PRの専門学校に入学。卒業後、企業PRに関わるレセプションに携わった。
1961年、エジプト出身のイタリア人と結婚。義母もまた料理上手で有名な人で、義母からイタリア料理や中東料理の手ほどきを受ける。その後5年間、商社に勤める夫の仕事の関係で、北アフリカのスーダンの首都ハルッームに住む。ここでシリア人、リベリア人、ギリシャ人、イタリア人など、さまざまな国の友人ができ、その友人たちからそれぞれの母国の料理を教わる。
1966年、イタリア・フィレンツェへ家族とともに移住し、その1年後、夫の赴任で日本へ。1992年に日本を離れるまで、日本でもまた、料理上手なイタリア人の友人たちやさまざまな国の友人と出会い、イタリア料理はもちろんのこと、日本料理、中華料理、インド料理など、幅広い料理の知識を得る機会に恵まれる。
友人たちのすすめで料理教室を開き、10年ほど、自宅で料理教室を主宰。料理をつくりながら語る、歴史やルーツなど、料理にまつわる「物語」が好評で、この経験が、日本を離れて18年たった今、料理本の出版を実現させることにつながった。
また、1980年ごろの日本ではまだほとんど知られていなかったティラミスを、日本に広めるきっかけをつくった功労者のひとりでもある。夫が日本に初めて輸入したフレッシュマスカルポーネチーズの販促活動をサポートするため、食品見本市でフレッシュマスカルポーネチーズを使ったティラミスの試食会を行い、これが評判を呼び、ティラミスが一気に全国的に知られることになる。フランスでレセプションの仕事をしていた経験がここで生きた結果となった。現在はスイス・ジュネーブで夫と2人で暮らしている。結婚し家庭を持った3人の子どもたちは日本、ドイツ、フランスで暮らしているが、年に2回は家族全員が集まる。家族に会い、料理を振る舞うことが何よりの楽しみ。マンマ(mamma)は今、8人の孫のノンナ(nonnaおばあちゃん)でもある。