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カラブリア カラブリア

カラブリア州

古代ギリシャ時代にはマグナ・グラエキアの中心地で、海岸沿いに植民都市が建設され、レッジョやクロトーネなどが繁栄を謳歌した。その後ローマ帝国、東ローマ帝国、ノルマン、ナポリ王国、そしてイタリア王国と、他の南部州とほぼ同じ運命を辿った。イタリア統一後は閉鎖的なメンタリティーもあり、あまり経済が発展しなかった。ただ重要な農業州で、オリーヴ、柑橘類の栽培が盛んで、特にベルガモットは有名だ。美しい自然が残っていて、ヴァカンス客が大量に押し寄せる。

 

一昔前までは酸化の進んだワインが多く、これは地元民の好みでもあった。ただ、そのようなワインは国際市場では受け入れられないため、今は果実味をしっかりと残した、近代的スタイルのワインの割合が増えた。

土着品種の宝庫で、白葡萄のグレーコ・ビアンコ、モントニコ、黒葡萄のガリオッポ、マリオッコ、グレーコ・ネーロなど興味深いブドウが多く残っている。

 

イタリア半島のつま先にあたる位置にあるカラブリアは東をイオニア海、西をティレニア海に挟まれて南北に細長く延びている。バジリカータとの州境にあるポッリーノ山塊(最高峰のモンテ・セッラ・ドルチェドルメは2,267m)、州の中央にあるシーラ高地、そして南の先端にあるアスプロモンテ山塊(最高峰のモンタルトは1,955m)と大きな山塊が3つあり、山岳が多い州だ。地中海気候で、イオニア海側の方が乾燥していて、ティレニア海側の方が温暖だ。ポッリーノ山塊、シーラ高原、アスプロモンテ山塊は大陸性気候で、冷涼で、昼夜の温度差が激しいので、南部とは思えない厳格で生き生きとしたワインが生まれる。

 

カラブリアで最も有名なワインはD.O.C.チロCiròだ。イオニア海に近い丘陵地帯で造られるワインで、赤、ロゼはガリオッポ、白はグレーコ・ビアンコがベースとなる。知名度が高いのは赤ワインで、チェリーのアロマとビロードのようなタンニンを持つワインである。ハーブのアロマと包み込むような寛いだ味わいは、まさに地中海的魅力に溢れていて、イタリア北部やフランスでは絶対に出会わない抒情的なワインだ。一昔前はやや粗いワインも見かけたが、栽培、醸造の技術が進歩したことにより、全体的レベルが向上した。チロはまさに南イタリアを代表するワインである。

 

ポッリーノ地区で造られる甘口ワインモスカート・ディ・サレチェーナMoscato di Saracenaは歴史あるワインであるが、モスト・コット(煮詰めたワイン)を使用するためEU法ではワインのカテゴリーに入れることができず、DOCも認められていない。

 

カラブリア料理は、唐辛子、オリーヴ・オイルを多用し、羊や山羊がよく食される。山羊の串焼きカプレット・アッロ・スピエドCapretto allo spiedoはチロ・ロッソと最高だ。パスタは卵が入らない手打ちのショートパスタが多く、羊を煮込んだソースなどで和えられる。ポルペッテ・アッラ・マンモレーゼPolpette alla mammoleseは豚のミンチを使った大きめのミートボールで、トマトソースで煮込んでいる。

チーズではカチョカヴァッロ・シラーノCaciocavallo Silanoが有名。

ペアリング

おすすめワイン


リベル・パーテル・チロ

格付: チロDOC

 

サルデッラ

サルデッラは、4センチ以下のシラスを数カ月かけて塩漬け発酵させ、身が砕けたところに大量の唐辛子と野生のフェンネルを加え、練って作るペーストのこと。日本でも瓶詰めされて販売されている。ブルスケッタ、ピザのトッピングやパスタにあえて楽しめる。もちろんそのままでもOK。カラブリアの人達は大の唐辛子好きということは周知の事実。辛いはウマい、ということなのか。この後紹介する料理にはほぼほぼ唐辛子が入っていることご容赦を。

 

マグロの甘酢風味

Tonno in agrodolce(トンノ・イン・アグロドルチェ)。トンノはマグロ、アグロドルチェはアグロ=『酸っぱい』、ドルチェ=『甘い』で、甘酸っぱいを意味する料理。みなさんマグロと赤ワインが合うのはご存じでしょうか。ただ今回のお相手は一癖も二癖もあるガリオッポ。料理で使用するお酢を赤ワインヴィネガーにしてみたり、ピンクペッパーやトウガラシを使ってアレンジする必要がありそう。スタンダードタイプのチロロッソでもいいが、もしカラブリアロゼワインがあれば、より南イタリア気分が味わえるはず。

 

茄子のオランダ煮

オランダ煮とは、茄子やこんにゃくなどの素材を油で炒めたり揚げたりした後に、醤油、みりん、日本酒、出汁などを合わせて作る煮汁にトウガラシを加えて煮た料理のこと。茄子を一旦油で揚げたり炒めたりする点と、唐辛子を加えることにより、赤ワインとぐっと近くなる。茄子のジューシーさと熟した黒い果実のフレーヴァはもちろん合うが、特筆するのは野生のベリー類やスミレの香りが繊細な和食の味わいを決して壊さないこと。

 

ホイコーロー

ホイコーロー(回鍋肉)は甘口の味噌である甜麵醬を多めに使用する。野菜はシャキシャキのキャベツや長ネギ。このワインは野生のチェリー、プラム、そしてスパイスやヴァニラの香りが非常にエレガントに統合されている。甜面醤の熟成した香りに、樽熟成由来のヴァニラ香は非常によく合うし、キャベツや葱のグリーントーンも好相性。パプリカ、鷹の爪、ラー油に豆板醤由来の赤い色合いが食欲をそそる。ご飯も進むが、ワインもさらに進む。

 

キムチ

きっかけは漫画「神の雫」。作中キムチに合うワインを探す中で、このチロ・ロッソを選んでいた。ほんとにあうんかいな、と思いながら、口に入れてみると驚くことに全く違和感がない。キムチの強烈な辛味と強い塩味、発酵からくる旨味、酸味がワインと見事に調和している。百聞は一見にしかず。騙されたとおもって、一度キムチとガリオッポのコンビネーションを試してみてほしい。

 

バーベキュー

カラブリアと検索すると、山と海に挟まれた、本当に美しい海岸線が続く写真がでてきた。海の見えるバーベキュー会場でラムチョップ、骨付きソーセージ、ピーマンやジャガイモなどを直火で煙の香りをつけつつ、網の上で少し焦げをつけながら新鮮な食材を豪快に焼き上げる。焼きたての香ばしい、お肉、魚介、野菜とチロ・ロッソを楽しむのもなかなか通じゃないですか。なによりバーベキューソースや焼肉のタレとの相性は悪魔的に良い。開放的な気分を合わせるエモーショナルマリアージュ。

 

おすすめワイン


コッリ・デル・マンクーゾ・チロ・リゼルヴァ

格付: チロ・スーペリオーレ・リゼルヴァDOC

 

ンドゥイヤ

‘Ndujaはカラブリアを代表する柔らかな辛口サラミ。非常にユニークな豚肉の加工品の一種で、スパイシーなペースト状のソーセージの様で、いろいろな部位の豚肉のミンチに背脂、ローストしたペッパーとスパイス各種を混ぜ合わせて作られ、他にはない特徴的な炎のような色と味わいを醸し出す。主にスライスしたパンに塗ったり、熟成したチーズに添えるだけでカラブリア赤ワインがどんどんすすむ。

 

カチョカヴァッロ・シラーノ

Caciocavallo Silanoはひょうたん型が特徴的なチーズ。 イタリア語でカチョ=チーズ、カヴァッロ=馬を意味し、馬の鞍の左右に吊るしていたのがこの名前の由来とされている。 モッツァレッラと同じパスタフィラータタイプで、熱湯の中で練りながら作られる。そのため焼くとピザのチーズのように伸びるのが特徴。 ちなみにシラーノは南イタリアのシーラという山の名にちなみ、数あるカチョカヴァッロの中でも美味しいと評価され、カチョカヴァッロ・シラーノとしてDOPにも認定されている。赤ワインとの相性を考えるとフライパンで焼いてよりモチっとした触感と濃厚な味わいを引き出し、酸味の強い赤ワインビネガーやトマトソースと一緒に食べるのがお勧め。

 

イノシシの溶岩焼き

山々を走り回り、栗などの木の実や、茸、穀物を食べ、冬を越すために必要な分だけの脂肪をつけた猪。だからこそ、脂っこくない、さっぱりとした良質な脂が楽しめる。良品質の脂がペアリングのポイントで、ガリオッポは洗練されたワインというよりも、牧歌的でどこか懐かしさを感じさせるワイン。やや乾いたタンニンと是非この良質な脂を合わせてみていただきたい。溶岩プレートで焼きながら、火山がたくさんあるカラブリアの野山に思いを馳せるのもいいかもしれない。

 

ブータン・ノワール

ブータン・ノワールは、豚の血と脂(ラード)によるフランスの腸詰の一種。血を使っているのでブラッドソーセージの一種になる。一般的にはニンニク、タマネギ、パセリと柑橘類の香料が調味料として使われる。無花果や洋梨の赤ワインコンポートを添えると尚更この赤ワインとの相性はよくなってくるし、マッシュポテトを添える事で高いアルコール感が和らげられ、スパイス感とアルコール感の強い個性豊かなレゼルヴァ・ガリオッポに負けないペアリングが完成する。

 

韓国チジミ

薄く外側はパリっと、内側はもちっとした食感が特徴で、特製タレにつけて食べる。ポイントはたっぷり入ったニラ、人参、玉葱などの香味野菜、そして焼きの仕上げにフライパンに回しかけるごま油の香り。醤油、お酢、砂糖、胡麻、唐辛子、コチュジャンを加えたピリ辛のチジミタレをたっぷりつけて食べると赤ワインとの意外な相性に驚かされるはず。やはりガリオッポと唐辛子は切っても切れない関係のようだ。

 

トンポーロー(東坡肉)

中国の江南地域で誕生した「皮付きの豚の角煮」。醤油・酒・砂糖・八角などで味付けしており、独特な香りが付いた甘辛い味が特徴。また、余分な脂を落とすために茹でたり蒸したりしてから、じっくりと時間をかけて煮込んでいる。こうしてできたトンポーローは、口の中でとろけてしまうほどの美味しさがある。香り豊かな油脂分と豊富なタンニンのペアリングは本当にはずなさい。かつ八角や山椒のフレーヴァーがスパイシーなチロ・レゼルヴァとの相性を完璧なものにする。

 

おすすめワイン


マーレ・キアーロ・チロ・ビアンコ

格付:  チロDOC

 

ミント風味のイワシの南蛮漬け

Sarde alla menta(サルデ・アッラ・メンタ)。カラブリアは特に柑橘類やオリーブなどの栽培が盛んな州。中でもベルガモットはイオニア海地域やレッジョオ・カラブリア地域の特産品。オリーブオイルや華やかな柑橘、ミントが香るこの料理には熟したトロピカルフルーツや白い花の香りが心地よい地中海ならではのフレッシュでミネラル感溢れるこのワインがぴったり。柑橘と白い花の香り、食欲をそそるこの組み合わせは食事のスターターにもってこい。

 

カラブリア風ミネストローネ

Millecosedde(ミッレコセッデ)。ソラマメ、エジプト豆、白いんげん豆、レンズ豆、チチェルキエと呼ばれる中南部特有の豆など、手に入る限りの豆類を使った料理。野菜、豆、スープとワインって合わせにくいって一見思いませんか。明確な酸、甘味、塩味がなく、優しく滋味深い旨味が中心となる料理に対してワインを飲むときは、シンプルな白ワインをチョイスするといい。ソフトプレス後、ステンレススチールタンク内にて徹底した温度管理の下、発酵させたクリーンなチロビアンコは決して料理の邪魔をすることはないだろう。

 

白甘鯛のカラスミ焼き

ワインの生産地域が沿岸部ということや火山性土壌由来のブドウ品種ということを考えるとやはり魚自体に磯の香り、旨味、厚みがある方が良い。かつ一緒に焼き上げたカラスミがミネラル由来の余韻の塩味をリフトする。素材そのものが持つナチュラルな海のフレーバーとブドウが育った環境にフォーカスする高難度のペアリング。こういった組み合わせはやはりガストロノミックな空間で楽しみたい。高級割烹や日本料理店で是非試してみていただきたい。

 

ベトナム生春巻き

ゴイクォンと呼ばれ、ライスペーパーで海老やレタス、きゅうり、パクチーなどを巻いているのが一般的。このペアリングのポイントは魚醤、ライム、赤唐辛子の効いたスパイシーチリソース。ライムやパクチー、トウガラシの刺激的かつ爽やかな香りと、ほのかに熟した木なりのフルーツ香が出会った時の感動を是非味わってほしい。同調のペアリングではなく、別々のフレーヴァーが対峙した時に起こる謎の化学反応を楽しめるペアリング。

 

タコのガリシア風

スペインの郷土料理、プルポ・ア・ラ・フェイラの調理は、まず銅の釜でタコを茹でることから始まる。タコが茹であがったらハサミでおよそ1センチの厚さに切り分け、岩塩とたっぷりのパプリカパウダーをまぶしオリーブオイルを垂らす。シンプルだからこそ、タコの磯の風味、オリーブオイル、トウガラシの香りが生きてくる料理。やはり香りのあるエクストラバージンオリーブオイルとチロビアンコは鉄板の組み合わせ。カラブリアの特産品ジャガイモの蒸し焼きソテーを付け合わせに添えると最高。

 

サムギョプサル

豚の三枚肉を厚めにスライスし、鉄板上で表面がカリッとなる程度に焼く。焼けた肉は、岩塩を溶いたごま油につけたり、青唐辛子のスライスやネギの和え物、生もしくは一緒に鉄板上で焼いたニンニク、少量のサムジャン(味付け味噌)と一緒にサンチュに巻いて食べる。食べる者が自由にアレンジできるようにするため、食卓上は調味料や葉菜類の器がところ狭しと並ぶのが特徴。豚肉の良質な油脂分と葱、トウガラシ、サンチュ、ごま油の香りとチロ・ビアンコのアロマティックな香りが感動的な組み合わせ。是非自由な食材の組み合わせから自分なりの最高のペアリングを探してほしい。

 

ペアリング提案

第7回JETCUP優勝

塚元 晃さん

MAP

格付け(DOC, DOCG..)について

チロDOC

チロ・スーペリオーレ・リゼルヴァDOC

カラブリアのワイナリー