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ウンブリア ウンブリア

ウンブリア州

州の東側にはアペニン山脈が南北に走っていて、その向こうはマルケ州だ。大陸性気候で夏は暑く、冬は寒い。アペニン山脈に近い産地のワインは厳格で、南部のオルヴィエート周辺のワインはどこかやさしい。

ウンブリアのワインで古くから高い名声を誇ったのはオルヴィートOrvietoで、貴腐菌の付着による黄金色の甘口ワインとして教皇御用達でもあった。今は甘口ワインの生産量は減って、飲みやすい辛口白ワインが中心となっている。とても美味しいワインで商業的にも成功しているが、本来はもっと上を目指すことができる産地である。

今、ウンブリアで最も注目が集まる産地はペルージャに近いモンテファルコMontefalcoだ。ここで栽培されるサグランティーノは非常に個性的な品種で、色が濃く、果実味豊かで、アルコール度数が高く、タンニンが強く、とにかく濃厚だ。世界で最もポリフェノール含有量が多い品種とされ、DOCGモンテファルコ・サグランティーノMontefalco Sagrantinoは濃いワインを好む国際市場で高い人気を誇る。DOCモンテファルコ・ロッソMontefalco Rossoはサンジョヴェーゼ主体に少しサグランティーノなどがブレンドされる赤ワインで、スパイシーで、味わい深く、食卓で力を発揮するワインだ。最近注目を集めているのはトレッビアーノ・スポレティーノTrebbiano Spoletinoという白ブドウで造られるワインだ。トレッビアーノ・トスカーノとは全く別の品種で、熟した洋梨、トロピカルフルーツなどの濃厚な香りと味わいを持つが、口中では生き生きとした酸があり、意外に飲みやすい。複雑であると同時に喜ばしいワインで、ウンブリアを代表する白ブドウとしての地位を固めつつある。

州の南部にあるナルニNarni周辺で栽培されてきたチリエジョーロ・ディ・ナルニCiliegiolo di Narniは興味深い土着品種で、チェリー、赤い果実のアロマを持ち、優美な味わいだ。トスカーナのマレンマのチリエジョーロと比べると、より優美で複雑だ。ウンブリアにはこのような興味深い土着品種が多くあり、近年再評価が進んでいる。

州都ペルージャに近いトルジャーノ村周辺のブドウ栽培が盛んで、様々な品種を使ってDOCトルジャーノTorgiano が造られている。サンジョヴェーゼを主体にしたトルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァTorgiano Rosso RiservaはDOCGに昇格している。

海がないウンブリアの料理は肉と野菜が中心になる。特徴的なのはひよこ豆、インゲン豆、レンズ豆などの乾燥させた豆類を多く食べることだ。ノルチャの近くのカステッルッチョ村の小さめのレンズ豆のレンティッキエ・ディ・カステッルッチョLenticchie di Casteluccioは高級品である。スペルト小麦も名産で、それを使ったミネストラ・ディ・ファッロMinestra di farroは伝統料理だ。生ハムやサラミはノルチャNorciaだけでなく、全州で造られている。黒トリュフも名産だ。卵入り手打ち麺タリアテッレTagliatelle、卵が入らないストロンゴッツィStrongozziなどはミートソースやトリュフと和えられる。隣接するラツィオの料理とも共通点が多く、ポテトのニョッキも一般的だ。肉料理もシンプルなものが多く、鳩、羊、ヤギなどは炭火焼きで食べられることが多い。子豚にハーブを詰めて丸ごと焼き上げたポルケッタPorchettaはパニーノに挟んでスナックとして食べられることも多い。オリーヴオイルも品質が高く、優美で、繊細だ。

ペアリング

おすすめワイン


カラパーチェ

格付: モンテファルコ・サグランティーノ DOCG

 

ペルージャ風鳩のロースト

Piccione alla pergina(ピッチョーネ・アッラ・ペルジーナ)。山岳地帯の多いウンブリアではヤマウズラ、キジやハトなどの野生の鳥が最上の食材とされてきた。ウンブリアの名物鳩肉の特徴は、赤い肉質、血、鉄分の風味であろう。さらにその骨や肉から旨味を抽出したソースのベースに血や内臓を加えることで、より複雑味が増す。この濃厚な料理には乾いたタンニンと凝縮した果実味を持つサグランティーノが最上の組み合わせとなる。ただ日本では鳩を食べる機会はそうそうないので、焼き鳥屋でレバーやこころで代用してもらいたい。その際はもちろんタレ焼きで。

 

豚の丸焼き

Porchetta(ポルケッタ)は隣のラツィオ州でもポピュラーだが、もともとウンブリアが発祥地。中にトリュフやドライハーブ、スパイスを詰め込んだ贅沢ポルケッタを一度現地で体験してほしい。皮はパリパリで香ばしく、練りこまれた塩気、ハーブやトリュフの風味が食欲をそそる。先ずは瓶内二次発酵でつくられたスプマンテフェッラーリで皮の塩気とサクッと感を楽しんだあと、サグランティーノに移っていけば、永遠に食べ続けて、飲み続けてしまう、魅惑的な郷土料理。

 

鰻の蒲焼き

そういえばウンブリアには鰻のとれるトラジメーノ湖がある。そこからヒントを得たペアリング。このペアリングのポイントは炭火でゆっくり時間をかけて焼き上げた蒲焼のキャラメリゼのような香ばしさ、そして鰻のジューシーな脂分、仕上げの山椒である。最初に立ち昇る妖艶な香り、サクッ、フワッのたまらない触感、熟成されたタレの風味、山椒の余韻が艶やかなサグランティーノとマッチする。もちろんワインはデキャンタージュして、温度も高め設定にするのをお忘れなく。

 

鹿のロティと黒トリュフ

ハイエンドなレストランに行くなら、是非鹿のロティ、トリュフ添えと一緒に楽しんでみてほしい。プロフェッショナルが鹿肉をベストな火入れしたときの、柔らかくかつ弾力のある触感、血液の旨味が赤身のお肉の中に完璧に留まったときの風味は何物にも変えがたい。さらにウンブリア名物黒トリュフの妖艶な香りがたちこめる。ジューシーでふくよかな果実味とほのかに余韻に残る獣香、味わいの濃淡、香りの相乗効果、郷土料理的見地から見ても最高のペアリングであるといえよう。

 

牛フィレ肉のロッシーニ風

これはフレンチの伝統的料理。この料理のポイントは3つ。焼き加減は中心部は明るいピンク色、血が滴るくらいのレアの状態に焼き上げる。この焼き加減を専門用語では「セニョン」(Saignon)と呼ぶ。次にやはり厚めにカットしたフォアグラをソテー。最後はソースペリグー。これはフォンドヴォーがベースの濃厚なソースに甘口のマデイラワインで風味を加え、粗くカットしたトリュフを加えた芳醇なソース。やはりポイントはレアに焼き上げた肉の風味、フォアグラの濃厚な旨味と油脂分、ペリグーソースの芳香さであろう。このワインカラパーチェは荒くてワイルドなサグランティーノとは一線を画す高貴さも持ち合わせている。最高級のフランス料理にも対応できる美しさもこのワインの魅力の一つ。

 

牛すじ煮込みのお好み焼き

牛すじ煮込みとたっぷり葱のお好み焼き。ずいぶんと高級料理が並んでしまったので、最後は家庭料理の案内を。ただ、普通のお好み焼きではなく、牛すじという所が重要。牛すじの旨味が溶け出したお好み焼きは、ワンランク上の味わい。山芋入りでふんわりした触感に、葱の香味がいいアクセントになる。甘く煮た牛すじとこんにゃくのプリッとトロッとした触感に、お好みソースの甘辛い旨味、仕上げにふった七味のアクセントが、濃厚かつジューシーなサグランティーノを持ち上げる。

 

ペアリング提案

第7回JETCUP優勝

塚元 晃さん

MAP

格付け(DOC, DOCG..)について

モンテファルコ・サグランティーノ DOCG