Wine&Liquorブドウ品種辞典
Aglianicoアリアニコ
主な栽培地域
カンパーニア州、バジリカータ州、プーリア州、ラツィオ州、アブルッツォ州、モリーゼ州
特徴
イタリア最古の品種と言われおり、近年のワイン醸造技術の向上により、北イタリアを代表するブドウであるサンジョヴェーゼやネッビオーロと肩を並べるほどの品質を誇ると言われています。
以前はギリシャ起源と考えられていたため、「ギリシャの」という意味の「エラニコ(hellanico)」にその名前が由来するとされてきましたが、最近の研究では、その説は否定されています。
アリアニコの主要なバイオタイプはタウラージ(Taurasi)、タブルノ(Taburno)、デル・ヴルトゥレ(del Vulture)で、それぞれの地域名が名前の由来になっています。バイオタイプの特徴とテロワールの特徴が、ワインの特徴に影響を及ぼします。
タウラージの実は他のバイオタイプと比較すると、小さめで繊細だとされています。畑は標高400m以上のエリアに指定されており、昼夜と夏冬の寒暖差が大きいため、しっかりとした力強いアロマが生まれます。造られるワインはフローラルで、赤いバラの香りが特徴です。
タブルノはほかのバイオタイプと比べると、房が最も大きく、早く熟し、最も高い糖度と酸度が特徴です。タブルノDOCGに指定されているエリアは涼しく、雨が多いことも高い酸度を持つ理由のひとつです。仕上がったワインからは革やタバコのニュアンスが感じられます。
最後に、デル・ヴルトゥレのバイオタイプでは、凝縮した果実味とミネラル感を味わえます。夏の暑い日が続くヴルトゥレ地区では、高品質で濃い果実が収穫されます。造られたワインの特徴的なアロマとしてスミレが挙げられます。
ヴルトゥレ地域のほとんどの生産者は、3つのバイオタイプすべてを栽培しています。アリアニコには数多くのクローンがあり、その数がこの品種の重要性を物語っています。最近では、カンパーニア州のVCR 2というクローンの栽培が増えており、特にイルピーニア地方では、より大きくて濃いブドウが栽培されています。
また、アリアニコ・デル・ヴルトゥレは、バイオタイプでありながらも、国家登録簿では独立した品種として登録されています。少しまぎらわしいですが、アリアニコは、アリアニコーネやアリアニコ・ディ・ナポリ(別名:トロント)とは異なる品種です。
代表的格付
カンパーニア州:タウラージDOCG、アリアニコ・デル・タブルノDOCG、サンニオDOC、ファレルノ・デル・マッシコDOC
バジリカータ州:アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレDOCG、アリアニコ・デル・ヴルトゥレDOC
マルケ州、プーリア州、アブルッツォ州、ラツィオ州、モリーゼ州でも少量栽培されています。
色・香り・味わい
深みのある色合いのアリアニコは、花や香ばしいアロマに加え、際立ったミネラル感が特徴です。フルボディの濃厚な味わいで、しっかりとした骨格を持ち、高くて力強いタンニンと豊富な酸を感じられるます。
若いうちは硬くてタールのような香りを持つこともありますが、長期熟成に向いており、優雅で洗練されたワインになる可能性を秘めています。
スタイル
主に辛口のスティル赤ワインが造られます。
アリアニコは、柔らかさを演出する他の品種とブレンドされることも多くあります。カンパーニアでは、ピエディロッソが新鮮さと香りを加え、プーリアでは、プリミティーヴォが果実味豊かで熟成の早いワインを生み出します。アブルッツォ州とモリーゼ州では、アリアニコとモンテプルチアーノがブレンドされます。
なお、タウラージとアリアニコ・デル・タブルノのDOCGは他のブドウを15%まで使用できますが、アリアニコ・デル・ヴルトゥレDOCは100%でなければなりません。
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