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トレンティーノ・アルト・アディジェ トレンティーノ・アルト・アディジェ

トレンティーノ・アルト・アディジェ州

イタリアとドイツ、オーストリアを結ぶ交通の要所としてローマ時代から栄えた。中世以降は聖俗両方の権力を行使するトレント司教公により統治された。宗教改革に対抗するために開かれたトレント公会議(1545年-1563年)は有名である。ナポレオンの支配を経て、ハプスブルグ領となり、第1次世界大戦後にイタリア王国領となった。住民は伝統を重視し、勤勉だ。ドロミーティ山塊は3,000mを超す峰々が続き、州のほとんどが山岳地帯で、森林が土地の70%以上を占め、耕作可能な土地は少ない。南にあるガルダ湖周辺の亜地中海性気候、中部の亜大陸性気候、北部の大陸性気候、アルプス性気候と、気候も変化に富んでいる。

住民の性格を反映して、ワインもとても几帳面に造られたもので、安定感が抜群である。生産者協同組合が多いが、うまく機能していて、ワインの品質は安心できる。白ワインは香り高く、クリーンかつフレッシュな味わいで、清らかな酸を持つ。昔は全州で同じような品種が栽培され、一つのワイナリーがいくつもの単一品種ワインを造ることが普通だったが、近年はそれぞれの地区に適した品種が徐々に明らかになってきたので、地区ごとの品種の棲み分けが進んでいる。ボルツァーノからブレッサノーネにかけて北東へ延びるイサルコ渓谷はミュラー・トゥルガウ、シルヴァナー、ケルナーなどのドイツ系品種、ボルツァーノからメラーノにかけて北西に伸びるヴェノスタ渓谷はリースリング、ボルツァーノの北西にあるテルラーノではピノ・ビアンコ、トレントの北にある斑岩土壌のチェンブラ渓谷はミュラー・トゥルガウといった具合だ。赤ワインはアルト・アディジェ地方ではデリケートなスキアーヴァ、濃厚で豊潤なラグライン、トレンティーノ地方では繊細なマルツェミーノ、濃厚な果実を持つテロルデゴが代表的だ。アルト・アディジェ地方はイタリアを代表するピノ・ネーロの産地で、エーニャEgnaに近いマッツォンMazzonの畑が最高とされていて、ヴェノスタ渓谷のピノ・ネーロも評価が高い。

DOCトレントは「山のスパークリングワイン」で、シャープな酸を持ち、厳格で、みずみずしい。長期熟成能力の高さも特記に値する。果実味中心のフランチャコルタに対して、トレントはミネラル中心で、その個性は対照的だ。

料理は当然オーストリアの影響が強く、むしろイタリアの影響は少ない。燻製した生ハムの一種であるスペックSpeckはアルト・アディジェの名産でどこに行っても出てくるほど生活に定着している。パスタはほとんど食べられず、大麦のスープMinestra d’orzoなどのスープが食される。パン団子であるクネーデルKnödel(イタリア語ではカネデルリCanederli)はコンソメに浮かべたり、バターとサルヴィアのソースで食べたりすることが多い。トレンティーノではポレンタがよく食される。肉は豚が多く、ジビエもよく食べられる。寒い地方なので脂肪分のたっぷりの料理も多い。トレンティーノ地方の料理は素朴で、質素なものが多い。州はヨーロッパ有数のリンゴの産地で、リンゴ入りリゾットのリゾット・コン・レ・メーレRisotto con le mele、豚とリンゴを一緒にローストしたマイアーレ・アッラ・トレンティーナMaiale alla trentinaなどが食べられるし、リンゴ、干しブドウ、松の実をロールしたストゥルデルStrüdelは代表的お菓子である。

ペアリング

おすすめワイン


フェッラーリ・ブリュット

格付: トレント DOC

 

Baccala alla Trentina

イタリアでも各地で使われるバッカラはトレンティーノの地方料理としても存在します。水で戻したバッカラとジャガイモ、根セロリニンニクをバターと牛乳で煮た料理です。それをポレンタと一緒に食します。もちろん白ワインでもよいのですがトレントブリュットを白ワイングラスでこの料理と合わせたいですね。バターとミルクので煮たまろやかな味わいにの後にフレッシュなブリュットで口の中をすっきりさせ次の一口を呼ぶ組み合わせで楽しめます。

 

鱒のリゾット

この地方でもよく食べられる鱒。鮭に比べて脂が控えめで繊細な味わい、白ワイン(もちろんトレントDOC)を入れた心地よい酸と鱒の味わい、シブレットやセルフィーユなどハーブを効かせたリゾットとフレッシュな酸をもち、きめ細かい泡立ちのスプマンテを合わせるとリゾットに軽さが感じられる組み合わせになる。リゼルヴァタイプや熟成したものを白ワイングラスで楽しみたいです。

 

天ぷら

持続的なキメ細かい泡立ちはてんぷらのサクサク感と合わないはずはないですね。特にキスやイカ、ナスやレンコンなどの野菜。リゼルヴァには海老、帆立、牡蠣などの旨味を伴うものと合わせて飲みたいです。いずれも塩で食べるスタイルで。赤の要素のあるロゼにはつゆで食べてもいいですね。やはりしっかりと冷やしてキリッとした酸と泡立ちを楽しみたいです。

 

塩麹 唐揚げ

はい。家庭料理のドが付く定番で見るのが大好きな唐揚げです。言葉を見ただけでおいしい組み合わせだと感じるでしょう。TrentoDOCに合わせるために塩麹、少しの生姜、小麦粉8:片栗粉2の割合で。ニンニクは僕は無しが好きです。レモン、または辛子マヨネーズをすこしつけて食べたいですね。あっという間に1本空いてしまいそうです。

 

カキフライ レモン添え

揚げ物が続きます。日本洋食を代表する一皿のカキフライ。さくっとしたパン粉とジューシーな牡蠣。タルタルソースも最高!でもやっぱりTrento DOCと合わせるには少し硬派にレモンだけかヴィネガーソースで食べたいですね。口の中にじゅわっ!と広がる味わいをキリっとした酸と泡で占める。何度も繰り返したいです。

 

ホットドッグ

近年ハンバーガーブームでいろいろな業態のレストランでも食べれるようになったりアミューズ的に出される。しかしTrentoDOCにはホットドッグです。パリッとしたソーセージ、マスタード、ピクルス。少し引いてみたらドイツやオーストリアに近いトレンティーノ・アルトアディジェの食材に近い味わいの組み合わせ。控えめにしてもTrentoDOCとHotDogで語呂もいい。街角でビシッとスーツを着てサングラスをした紳士がランチタイムにこのアッビナメントをしてると想像しただけでカッコしいですよね。F1見てても映像で出てきそう。

 

おすすめワイン


フェッラーリ・ロゼ

格付: トレント DOC

 

カルネ サラーダ

カルネサラーダはトレントの郷土料理で生の牛モモ肉などを塩とスパイスで3週間ほど漬け込み薄切りりにした料理、カルパッチョとブレサオラの中間的な料理、日本では食べることが難しくなったカルパッチョ。レモンでシンプルに食べるこの前菜はロゼの果実味と赤身の美味しさ、スパイスの風味もロゼの果実味と完全なるアッビナメントが楽しめる。

 

スペックとプルーンのソテー

スペックの持つスパイスさほんのりと薫るスモーキーさドライプルーンをこのスペックで巻き、フライパンでソテーするスナックというかアミューズ的な料理だが最初のロゼのトレントブリュットとこの料理ができたら最高のディナーのスタートになるでしょう!

 

馬刺し

日本の馬刺しの柔らかさ、脂の美味しさにニンニクと生姜のスパイス、そして何より九州のたまり醤油の甘みはトレントのロゼが馬肉の甘味を引き出してくれる。素材を活かし周りの薬味と醤油がたまらない。ヴィンテージ付きの熟成感が感じられるロゼだったらなお素晴らしい組み合わせになります。大き目のグラスで楽しみたいですね。

 

カーチョ エ ぺぺ ドライラズベリー添え

スタッフが以前にフェッラーリの経営するリストランテに訪れた時に提供していただいた料理でメーカーズディナーなどで提供させていただいている料理。もともと泡とロングパスタの相性は食べるスピード感覚でも合うと考えており、チーズのコクと胡椒の刺激と泡の刺激がフレッシュ感を出し、アクセントのフリーズドライの木苺がロゼを一気に引き寄せてくれる。

 

タルトタタン

リンゴをよく食べるこの産地。ストゥルーデルが有名なスウィーツですが林檎をキャラメル化して香ばしさ甘酸っぱさが活きるタルトタタンはこのトレントのロゼとぴったりです。ほのかなシナモンの香りを添えてもロゼの持つ赤い果実感が受け止めてくれます。ロゼはデザートとも楽しめるスプマンテですね。

 

蒸鳥と大根の梅肉和え

家庭でもできる前菜の一皿ですね。鶏むね肉やささみを蒸鳥をほぐし大根の細切り、水菜などで食感も楽しめるようにして梅肉で合わせます。ロゼの持つ果実味とトレントDOCの熟成感から生まれる複雑味とフレッシュな酸ときめ細かい泡はサッパリとしたこの一皿が楽しめます。

 

おすすめワイン


マゼスト・マルツェミーノ

格付: マルツェミーノ・トレンティーノDOC

 

鹿肉のロースト 木の実のソース

近年日本でもレストランで一年を通して使われるようになった鹿肉。トレンティーノでもよく食べられる。赤身で柔らかく野性味も味わえる料理マルツェミーノのもつスミレの花の香り、ミントのようなハーブ、タンニンの柔らかさは相性が抜群。ブラックベリーやカシスなどをソースのアクセントに入れると最高の相性に。

 

茸のスープ

10月から11月にかけての秋の味覚ジロール茸やポルチーニを使った濃度のあるスープ。ドライポルチーニや野菜のブロードを使い濃厚で旨味の強いスープは白ワインよりもむしろ濃厚な赤ワインの方が楽しめます。最後にポルチーニのとりフォラーティやグリルを添えてハーブの香りをまとわせマルツェミーノのハーブ館がありながらやさしく濃厚な味わいの赤ワインは余韻を複雑にして奥深い味わにしてくれます。

 

鴨の棒葉味噌焼

ウナギのかば焼との相性は想像しがたく無い組み合わせだと思います。甘みとコクのあるたれ、ウナギの持つ大地の様な香りは、マルツェミーノのコク、柔らかいタンニン、ハーブ香がぴったりです。山椒をかけたり、名古屋のようなひつまぶしにわさびを添える食べ方とも相性が楽しめる組み合わせです。

 

北京ダック

マルツェミーノはスミレやハーブほのかなカシスの芽のような香りのトーンがあります。ブルーベリーを煮詰めたような果実味は北京ダックとぴったりです。皮のパリパリ感の後に広がるソースの甘みネギとキュウリの香りと食感。食べた余韻にこのワインを飲むと余韻が贅沢に広がります。

 

ローストビーフ

マルツェミーノはスミレやハーブほのかなカシスの芽のような香りのトーンがあります。ブルーベリーを煮詰めたような果実味は北京ダックとぴったりです。皮のパリパリ感の後に広がるソースの甘みネギとキュウリの香りと食感。食べた余韻にこのワインを飲むと余韻が贅沢に広がります。

 

チンジャオロースー

甘辛いタレと細切りピーマンの触感が楽しいチンジャオロースー。ワインの持つほのかな陰干しブドウの風味と酸のバランス、しっかりとした骨格とかすかに青みを感じるアルカリのニュアンスは、ピーマンの香りと同調します。味わいのバランス的に紹興酒や中華のスープと合わせやすいワインだと思います。

 

おすすめワイン


フォヤネゲ

格付: ロッソ・デッレ・ドロミティ IGT

 

Stinco al forno

この地方ではよく食べられる豚料理に一つ。モモ肉のロースト。見た目は男心がくすぐられるシンプルながら豪快な料理。ローズマリーを効かせたロースト料理です。ロッソ・デッレ・ドロミティのカベルネやメルローなどの濃厚でありながらどこかミントやローズマリーの的な香りやタンニン、樽熟成していればその風味は、特にこの料理が食べたくなる。ローストした肉汁のシンプルなソースとも相性は抜群。

 

Gulasch di manzo

フリウリの地方料理としても有名だが、元々チロル地方と近いこの地域のメインの肉料理としてもポピュラーです。ポレンタを添えてよく食べられる。パプリカ由来の香りがトレンティーノの濃厚ながら香り高いカベルネやメルローの赤ワインと美味しくないはずはない。

 

ウナギのかば焼

ウナギのかば焼との相性は想像しがたく無い組み合わせだと思います。甘みとコクのあるたれ、ウナギの持つ大地の様な香りは、マルツェミーノのコク、柔らかいタンニン、ハーブ香がぴったりです。山椒をかけたり、名古屋のようなひつまぶしにわさびを添える食べ方とも相性が楽しめる組み合わせです。

 

ポークカツレツ ドミグラスソース

トレンティーノ=アルト アディジェの郷土料理でウィナーシュニッツェルがあります。仔牛のカツレツです。ミラネーゼがもととされています。ポークカツレツは洋食では定番。パン粉はキメ細かくしバターで仕上げドミグラスソースで食す。ウィナーシュニッツェルだったら白ワインでも良いですがポークの甘味、香ばしさとドミグラスソースの酸味と甘旨味。これにはぜひこのようなコクのあるしっかりしたワインを合わせたいですね。

 

牛フィレ肉のロッシーニ

記念日や年末などのハレの日のガストロノミー料理として有名なこの料理。牛フィレ肉とフォアグラ、黒トリュフの贅沢な組み合わせはメルローベースの柔らかく高い次元でのバランスを持つこのウィンと一緒に贅沢な時間を楽しみたいですね。濃厚な味わいと香りに合わせてグラスはもちろんボルド―グラス。香り高く柔らかく濃厚な果実味。デキャンタをしてゆっくりと楽しみたいですね。

 

ぼたん鍋

いのししの肉を使ったぼたん鍋は味噌を使うことも多く、煮れば煮るほど柔らかく尚且つ精が付く冬には1度食べたい鍋の一つです。濃厚で風味豊かで出汁の効いた味わに合わせてしっかりとした今ワインを合わせて飲みたいです。山椒を少し効かせたり、溶き卵を付けて食べてもこのしっかりとして落ち着いたワインを合わせて冬の夜の食卓を過ごしたいです。

 

おすすめワイン


ピエトラグランデ

格付: トレンティーノ・ビアンコDOC

 

行者にんにくを練りこんだカネデルリ

トレンティーノ以北、オーストリアなどでよく食べられる山菜でもある行者にんにくは最近ではレストランでも使われるようになった日本でもなじみのある山菜です。その行者にんにくを練りこんだカネデルリは香り高く、ソースはバターで仕上げられることが多いです。トレンティーノの自然に造り上げられる果実味と香りの北部らしい味わいのバランスが素材の香りを活かしつつ山岳地帯の風景に連れて行ってくれる。

 

サルメリーノのクロスタ

日本のイワナに似たトレンティーノでよく食される川魚で、体長は30㎝から、大きいもので50㎝位になるサルメリーノ。ハーブ蒸しなどもよいがクロスタと呼ばれるムニエルのような香ばしいハーブパン粉焼きはレモンを添えて、パセリなどを使用したサルサヴェルデもワインの酸味や香りのバランスが活き心地よい組み合わせが楽しめる。もちろん塩焼きやハーブなどを利かした塩焼きでも。

 

ぼたん鱧

和食の夏から初秋の料理を代表する一品ぼたん鱧。骨切りをした鱧に葛粉をはたき茹で牡丹の花のように開いた身を椀ものにしてお出汁と食します。北のテロワールをの中でゆっくり成熟させたブドウで造られる繊細なバランスとお出汁の繊細な味わいと一緒に食べたいです。松茸も一緒にできたら少し温度をあげ大き目なグラスで合わせたいですね。

 

サーモンとアボカドのサラダ カクテル仕立て

シャルドネ主体ながら繊細な酸とバランスを持つトレンティーノの白ワインにはバターではなく”森の”バターとサーモンの重すぎないなめらかな質感と合わせたい。フレッシュで繊細な酸と香りある品種とのブレンドに合わせてほのかに和風のレモンと醤油オリーブオイル、そしてわさびを合わせたドレッシングで楽しみたい。

 

若竹煮

高地の山のワインでありながら石灰土壌が中心畑から生まれるこの地方のワイン。海と山の恵みが合わさった若竹煮と合わせたい。ワカメの磯の香りとお出汁の繊細な旨味、筍の大地の味わいはこのワインのテロワールを反映したような組み合わせ。

 

焼き鳥 鶏手羽

手羽の焼き鳥。香ばしく炭で焼かれた皮の風味と問いの脂の旨味。モモとはまた違ったテクスチャーの手羽、シンプルの塩味とレモンの味付けが樽香の無いこのシャルドネの味わいと非常にマッチする。もちろんモモ肉や、胸肉、ささみワサビなど塩で食べる焼き鳥とはよく合う。

 

おすすめワイン


ピノ・ビアンコ

格付: アルト・アディジェDOC

 

フォレッレ・ブラウ

アルプスでよく食べられる鱒。これをクールブイヨンで煮た料理のフォッレッレ・ブラウ。新鮮な虹鱒20㎝~25㎝ほどの大きさをヴィネガーやレモン、白ワイン入れたクールブイヨンでにてバター、レモン、根セロリやニンジンなどを据えて食べます。シンプルながら非常に鱒の美味しさが味わえる料理です。この地方の昼夜の大きな寒暖差が生むアロマや酸を持つ白ワイン、ピノビアンコやソービニョンなどが力を発揮してくれる組み合わせです。樽熟成でないものがいいですね。

 

Speck con salsa al rafano

この地方の名物食材でスパイス効いた生ハムスペック。ほのかなスモーキーさ旨味の効いているのが特徴。アルトアディジェでは西洋わさびをすってをパンやヴィネガーなどを使って作る”Salsa Cren”を付けて食べる。このソースの酸味や辛みとスペックの塩味、スパイスがピノビアンコの柑橘系の果実味や爽やかな酸、ミネラルとの相性はこの地方の代表する組み合わせ。止まらなくなる。樽が効きすぎず、リゼルヴァタイプでないものと合わせたい。

 

スミイカの刺身塩とレモン添え

非常に高い日照量と夜の涼しさ、少ない雨などの気候条件が生む酸や繊細な果実味としっかりとしたミネラル。スミイカの甘みとテクスチャーを塩とレモンで引き締めたお刺身は非常に相性が良い。特に高いと酸とミネラルを持ったピノ・ビアンコ。また、ミュラー・トゥルガウなどと相性が良い。リゼルヴァではなくフレッシュさが発揮されたものが良いですね。

 

アユの塩焼き

日本を代表する川魚、鮎。15セ㎝から20㎝ほどのやや小ぶりのものを炭火で丁寧に焼かれたものは、最高の組み合わせとなる。鮎の特徴である、ほのかな瓜のような香り、炭火のスモーキーさワタの甘苦み。アルトアディジェのテロワールのワインと抜群の相性である。蓼酢などを合わせるといはソーヴィニョンなどが良い。ほのかな樽が効いてもアルトアディジェの酸味とのバランスは鮎によく合う。

 

アスパラガスのフライ・天ぷら

アルトアディジェでもよく栽培され食される(ホワイト)アスパラガス。日本だとシンプルに茹でられることなどもあるが、フライやてんぷらのような和や洋食に仕立てた揚げ物にすると甘みとジューシーさが閉じ込められたまらない。卵とマスタードなどを合わせたサルサ・ボルツァーノと呼ばれるタルタルソースのようなソースと合わせると食べても食べてもまた食べたくなる組み合わせで口の中はドロミテ旅をしているよう。

 

蒸し鳥のネギソース

しっとりと蒸しあげられた鶏の胸肉にシンプルながら長ネギと生姜の効いたネギソース。ネットでもおいしい作り方が出てくる料理で最近はダイエット料理としても人気です。白ネギに熱い油で意気に熱された甘みとがピノ・ビアンコの上品な果実味とよく合います。リゼルヴァタイプなどのふくよかな味わいにでも十分楽しめる組み合わせだと思います。

 

おすすめワイン


ゲヴュルツトラミネール・ヴィーニャ”カステラーツ”

格付: アルト・アディジェDOC

 

豚肉と林檎のストゥルーデル

ストゥルーデルというとデザートのイメージがあると思いますが同じように豚肉と林檎、スペックな度をソテーして包んで焼き上げるお料理もこの地方の秋に食べたいひと皿です。リンゴの甘酸っぱさ、豚肉の持つ脂質、玉ねぎの甘さはゲヴェルツの持つ自然な完熟したボリュームのフルーティーさと相性は抜群です。赤ワインでも悪くはありませんが、豚肉の脂質は特に白ワインとの相性も良いのでぜひ楽しんでみてください。リゼルヴァタイプをやや低い温度で合わせたいです。

 

Krapfen

ドイツやオーストリアと隣接するイタリアであってイタリアではないこの地方のらしいデザートのクラッフェン。ドーナツのようなデザートで中にカスタードクリームやドライフルーツなどがある。シンプルにハチミツを付けたものなどはゲヴェルツトラミネールのリゼルヴァタイプやパッシートなどのデザートワインとゆっくりと映画お供や食後の楽しみに是非合わせて楽しみたい。

 

塩鮭の酒粕煮

和食ならではの酒粕を使った料理。粕煮。塩鮭の塩みと酒粕の風味甘みを活かした料理。大根や人参、ジャガイモなども入れてもおいしい。最後に柚子の香りを添えると日本酒だけでなく、ゲヴュルツとも楽しめる。塩鮭でなく生の鮭などを使っても楽しめる。少し白みそを加えて柚子胡椒や柚子七味など合わせてほかにあん肝などをつまみにゲヴュルツなんて、おしゃれな食卓になるだろう。

 

海老フライ タルタルソース

洋食を代表するエビフライ。何を付けて食べるかは目玉焼きと同じようにソース論争が巻き起こる料理の一つ。しかしやはりタルタルソースとレモンだろう。特にマヨネーズとピクルス、玉ねぎの甘味が効いたタルタルをたっぷり付けたエビフライはアルトアディジェのゲヴュルツトラミネールのトロピカルさフルーティーさほのかな残糖を感じるボリューム感とよく合います。エビはできるだけ大ぶりの方がこの地方のアルコール感とも合って美味しいです。もちろん中華料理のエビマヨとも間違いありません。

 

アナゴのフリット・カレー塩

ゲヴュルツトラミネールは名前(ゲヴュルツ=スパイス)という名前からもよくカレーと合うといわれています。欧風のカレーライスには僕はどうかと思うところもあるのですがカレーパウダーやスパイスとの相性はとてもおいしいです。アナゴのもつ少し土臭さのような独特な香りにさくっとしたフリット生地、そしてカレー塩のスパイス感は少し費や締めに提供するゲヴェルツトラミネールとは最高です。他にもタコや帆立のようなもののフリットともおいしいですね。

 

チーズオムレツ胡椒掛け

卵料理とワインの相性は難しい。ゲヴュルツとオムレツのを合わせるには香りあるチーズをオムレツの中に。またはソースにして粗く引いた黒コショウをたっぷりとかけて合わせると不思議とゲヴュルツトラミネールとしっくり合わさる。黒コショウのスパイス感が卵とワインの相性の殻を破ってくれるのだと思う。日本の甘く焼いた玉子焼きも黒胡椒をかけると一気にワインと地下ずく。

 

ペアリング提案

第3回JETCUP優勝

本多 康志さん

MAP

イタリアワイン格付(DOCG、DOC)一覧

DOCG 

Alto Adige DOC 3

1 Alto Adige (Südtirol) DOC
アルト・アディジェ(ジュートティロ―ル)DOC
2 Lago di Caldaro o Caldaro (Kalterersee o Kalterer)
ラーゴ・ディ・カルダーロ または カルダーロ(カルテラーゼー または カルテラー)DOC
3 Valdadige o Etschtaler DOC
ヴァルダディジェ または エッチュターラ― DOC

 

Trentino DOC 5

1 Casteller DOC カステッレ―ル DOC
2 Teroldego Rotaliano DOC テロルデゴ・ロタリアーノ DOC
3 Trentino DOC トレンティーノ DOC
4 Trento DOC トレント DOC
5 Valdadige Terradeiforti o Terradeiforti Valdadige DOC
ヴァルダディジェ・テッラデイフォルティ
または テッラデイフォルティ・ヴァルダディジェ DOC

Vintage Report

2021年の収穫が8月26日に始まりした。2019年と同じ日にスタートし、気候の不安定さの為、2020年に比べると、約10日後となります。
例年通り、発芽が4月のはじめに始まっていたにもかかわらず、寒くて雨の多い春の気候は、約15日間の成長の減速につながりました。
6月の天気が安定し、日差しも多かったですが、7月に何回も雹が降ることもによりブドウ畑で農家の作業、つまり、ダメージを受けたブドウの実を取り除いたり、そして虫がつかないようの注意深い仕事が必要となりました。
7月の気候のせいで房の成長が減速しましたが、8月の高温のお陰で回復しました。そして、フェッラーリトレントのブドウ園の標高によって十分に緩和されました。昼夜の寒暖差があることによって、ブドウに酸味と香りを与えることは非常に重要な役割があります。

このような条件が揃ったため、収穫が8月末にスタートしました。最初は標高の低いシャルドネの畑から、上々にもっと高いところにあるシャルドネとピノネーロの畑に移動しました。
フェッラーリ・トレントの農業者の注意深い管理の下で行われる収穫は、いつものように、完全に手作業で行われ、ブドウのさらなる選択を可能にします。これは、シーズンを通して行われるブドウ畑で細心の注意と持続可能な方法で
重要な作業の最後のステップです。自社畑が2017年より有機栽培の認定をもらい、600以上契約農家が”フェッラーリ社の 健康的で持続可能な山のブドウ栽培”の規定通り、作業を行うため、土地とそこで働く人々を尊重する耕作基準の確保ができます。
”難しい気候状況でしたけれども、高品質なブドウを期待しています。再度、創業者のジュリオ・フェッラーリの考え、つまり地元のトレンティーノでシャルドネの栽培ができることと、会社の高地(山?)でブドウ栽培することが、最高品質で長期熟成能力のトレントDOCの成功につながっています”と副社長且つ醸造責任者のマルチェッロ・ルネッリがコメントしました。