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トレンティーノ・アルト・アディジェ トレンティーノ・アルト・アディジェ

トレンティーノ・アルト・アディジェ州

イタリアで最も北に位置するトレンティーノ・アルト・アディジェ州は、北はオーストリア、スイスと国境を接し、西はロンバルディア州、東はヴェネト州に接しています。北のボルツァーノ自治県がドイツ語圏のアルト・アディジェ地方で、南のトレント自治県がイタリア語圏のトレンティーノ地方です。アルト・アディジェでは、道路標識、ワインのラベルなど全てドイツ語、イタリア語の併記となっています。
ヨーロッパの南北を結ぶ交通の要所としてローマ時代から栄えたトレントは、中世以降、聖俗両方の権力を行使するトレント司教公により統治されていました。16世紀の宗教改革時代にはヨーロッパ各国の司教がしばしばトレントに集結して会議していたことは有名で、その会議が行われていた場所として、フェッラーリ社オーナーのルネッリ家が所有しているヴィッラ・マルゴンは州の重要な文化遺産として保護されています。その後ナポレオンの支配を経てハプスブルグ領となり、チロル公国領だったアルト・アディジェが、トレンティーノと共にイタリア王国領となったのは、第一次大戦後でした。この併合はオーストリア系住民の強烈な反発を受けましたが、自治権を認めるなど手厚い保護により収まり、アルト・アディジェの住民は頑固に自分たちの文化を守り継承しています。
経済面では、農業、商業も盛んですが観光業が重要であり、住民一人当たりの所得は高く、生活水準が高い州としても知られています。
南北300kmに連なる世界遺産ドロミテ山塊はこの地の代表的な景観で、州の面積13,607㎢のほとんどが山岳地帯で森林が全体の70%を占めており、耕作可能な土地は少ないです。ブドウ畑は標高200~1300mに広がっており、それぞれの標高に適した品種を栽培することができます。ドロミテは石灰質の苦灰石でミネラル分に富んだフレッシュなワインを生み、アディジェ川沿いは沖積土壌、氷堆積土壌です。トレンティーノの南にはガルダ湖があり、温暖な亜地中海性気候、アディジェ川中部の渓谷は亜大陸性気候、更に上流は大陸性気候で、もっと北ではアルプス性気候となっており、多様なテロワールが存在します。
トレンティーノで近年世界的に注目を集めているのは、瓶内二次発酵によるスパークリングワインのトレントDOCで、シャルドネを主体に、鮮やかなアロマとミネラル分に富んだ味わいを持つ、時を超越する素晴らしい長期熟成型ワインであることが特徴です。
アルト・アディジェのワインは、そのほとんどがアルト・アディジェDOCに属します。イタリアを代表する卓越した白ワイン産地であり、清らかな酸を持ち、香り高く、クリーンかつフレッシュな味わいで抜群の安定感を誇ります。ピノ・ビアンコ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランも素晴らしいですが、リースリング、ゲヴュルツトラミネールなどのアロマティック品種も卓越しています。赤ワインではデリケートなデイリーワインを生むスキアーヴァや濃厚な果実味を持つラグラインが重要です。また、生産者協同組合の造るワインの品質が非常に高く安定していることは、トレンティーノ・アルト・アディジェ州の特徴でもあります。
料理としては素朴な山の料理が多く、アルト・アディジェの名産には燻製した豚もも肉のハムであるスペックがあり、またパスタ料理はなくスープがよく食されます。ベーコン、ハム、卵などを混ぜたパン団子は、アルト・アディジェではクネーデル、トレンティーノではカネーデルリと呼ばれ、スープに入れられて食べられることが多いです。魚は川魚が多く、マスが有名で、肉は豚やジビエが良く食べられます。豊かな森を持つトレンティーノでは、キノコ類やハーブ、ベリー系の果実も美味しく、またトレンティーノ・アルト・アディジェ州はヨーロッパ有数のリンゴの名産地でリンゴを使った料理も多く、干しブドウと松の実をロールしたストゥルーデルが銘菓として有名です。