appetizer ほうれん草のクレープ巻き

ほうれん草のクレープ巻き

食材を詰めた塩味のクレープ料理は、イタリアよりフランスのほうが一般的

「クルスペーレ(crespelle)」とは、イタリア語でクレープのことです。イタリアでは、フランスほど塩味のあるクレープを食べませんが、ナポリが州都であるカンパーニア州でのみ、具材を詰めた塩味のものが見られます。このクレープ料理は、18世紀および19世紀にナポリの貴族の料理に、フランスの影響が大きく及んでいたころの名残だと思われます。

クレスペーレに、イタリア全土でつくられているリコッタと呼ばれる白いフレッシュチーズとほうれん草を巻きます。リコッタは、デザートやタルト、ラヴィオリ料理などによくに使われるチーズですが、つくりたては砂糖をかけてそのまま食べるのがおいしいです。リコッタチーズが身近で手に入らない場合は、カッテージチーズでも代用できます。

ほうれん草の原産地はペルシャで、9世紀にアラブ人によってヨーロッパにもたらされました。中世時代は、生のままあるいはゆでたものをみじん切りにしてボール状に固め、エスピノッシュと名づけて売られていたようです。17世紀ころ大変もてはやされていたほうれん草は、なんと砂糖を加えて料理されており、当時からすでに、10種類以上栽培されていました。現在はさらに品種の数も増え、一年中収穫できるようになっています。

ところで、フランス人は、生活に金銭的ゆとりができた時、「やっとほうれん草にバターを入れることができるようになった」という表現をします。

材料(4人分)

  • ほうれん草 …1束
  • おろしたチーズ (リコッタチーズまたはカッテージチーズ) …150g
  • おろしたパルメザンチーズ …おおさじ1
  • 塩・こしょう …ひとつまみ
  • ナツメグ …ひとつまみ
  • クレープ …4枚
  • おろしたチーズ(エメンタールまたはグリュイエール) …適宜
  • バター …15g

作り方

  • ほうれん草は、葉のみを洗い、塩を加えた熱湯で数分ゆでます。水切りし、さらに両手で押さえながら水分を出し、その状態で70〜80gの量になるようにします。
  • ①をミキサーにかけピューレ状にします。
  • ②におろしたリコッタチーズ、パルメザンチーズを加え、さらに塩・こしょう、ナツメグを入れて味付けをします。
  • ③を4等分に分けクレープに塗り、クレープをくるくると巻きます。バターを塗ったオーブン用容器に並べ、おろしたエメンタールチーズをクレープの上に振りかけます。さらに小さく切ったバターをクレープにのせ、170Cのオーブンで8〜10分焼きます。
  • ※食卓に出す時に、少量の熱いトマトソースをクレープの上にかけると、見た目にも美しく、さらにおいしくなります。

ミシェルアンドレコーヘン
Michele Andree Cohen

第二次世界大戦中の1939年12月、フランスのトゥールで生まれる。終戦後の1946年にトゥールからパリに移り、結婚するまでの15年間パリで暮らす。料理上手な母から、伝統的なフランス料理の他、アルザスの料理や、父親の故郷であるロレーヌ地方の料理を教わる。
バカロレア(大学入学資格)を取得後、PRの専門学校に入学。卒業後、企業PRに関わるレセプションに携わった。
1961年、エジプト出身のイタリア人と結婚。義母もまた料理上手で有名な人で、義母からイタリア料理や中東料理の手ほどきを受ける。その後5年間、商社に勤める夫の仕事の関係で、北アフリカのスーダンの首都ハルッームに住む。ここでシリア人、リベリア人、ギリシャ人、イタリア人など、さまざまな国の友人ができ、その友人たちからそれぞれの母国の料理を教わる。
1966年、イタリア・フィレンツェへ家族とともに移住し、その1年後、夫の赴任で日本へ。1992年に日本を離れるまで、日本でもまた、料理上手なイタリア人の友人たちやさまざまな国の友人と出会い、イタリア料理はもちろんのこと、日本料理、中華料理、インド料理など、幅広い料理の知識を得る機会に恵まれる。
友人たちのすすめで料理教室を開き、10年ほど、自宅で料理教室を主宰。料理をつくりながら語る、歴史やルーツなど、料理にまつわる「物語」が好評で、この経験が、日本を離れて18年たった今、料理本の出版を実現させることにつながった。
また、1980年ごろの日本ではまだほとんど知られていなかったティラミスを、日本に広めるきっかけをつくった功労者のひとりでもある。夫が日本に初めて輸入したフレッシュマスカルポーネチーズの販促活動をサポートするため、食品見本市でフレッシュマスカルポーネチーズを使ったティラミスの試食会を行い、これが評判を呼び、ティラミスが一気に全国的に知られることになる。フランスでレセプションの仕事をしていた経験がここで生きた結果となった。現在はスイス・ジュネーブで夫と2人で暮らしている。結婚し家庭を持った3人の子どもたちは日本、ドイツ、フランスで暮らしているが、年に2回は家族全員が集まる。家族に会い、料理を振る舞うことが何よりの楽しみ。マンマ(mamma)は今、8人の孫のノンナ(nonnaおばあちゃん)でもある。

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