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シチリア シチリア

シチリア州

イタリア最南端に位置する地中海最大の島であるシチリアは、イタリア最大の州でもあります。イタリア半島のつま先にあたるカラブリア州の先に位置していますが、場所によっては北アフリカのチュニジアの首都チュニスより南に位置するところもあり、かなりアフリカに近い風土です。

地中海のど真ん中という地理的に非常に重要な場所に位置していることもあり、古代から様々な文明の十字路であり、いくつもの民族、文明がこの島を通り過ぎていき、シチリアはそれぞれの時代の支配者の文明の影響を受け、独自のシチリア文化を形成してきました。

古代からギリシャ人、フェニキア人、カルタゴ人が頻繁に往来し、ローマ帝国時代には「ローマの穀物庫」と呼ばれるほど穀物栽培が盛んになりました。その後はビザンティン、イスラム、ノルマン、フランス、スペインと様々な支配者がこの島を統治し、ガリバルディの千人隊のシチリア遠征により、シチリアはイタリア王国の一部となりました。

丘陵地帯が61.4%、山岳地帯が24.5%、平野は14.1%という地形で構成され、北部はシチリア・アペニン山脈が東から西へ続いており、北東部にはヨーロッパ最大の活火山エトナ山(3343m)が鎮座しています。地中海性気候で夏は暑く冬は温暖で、南西部はアフリカの影響を受け非常に暑く、サハラ砂漠から吹く“シロッコ”という風も特有です。アルプス気候のエトナを除き、全体的に降雨量は少なく、干ばつは深刻です。非常に大きな島で、多種多様な気候やテロワールが混在しており、海抜0~1200mの様々な位置にブドウ畑が存在し、真っ白な石灰質土壌や鉄分を含んだ赤い土壌、真っ黒な火山性土壌など多様です。収穫時期も7月後半から11月半ばまで、約3か月半にも及び、シチリアは「島」というよりは「小さな大陸」と捉えるほうが適切です。

西アジア原産のヴィティス・ヴィニフェラがギリシャを経てシチリアに到着し、古代ローマ帝国領土と共に北上しヨーロッパ各地に伝わった歴史があり、ヨーロッパに現存するほとんどの品種がシチリアを通過したと言っても過言ではありません。代表的品種では、白ブドウのインツォリア、カリカンテ、グリッロ、グレカニコ、カタラット、黒ブドウではネロ・ダーヴォラ、ネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートなど、数えきれないほどの品種が存在します。

シチリアはヴェネト、プーリアと並ぶ一大ワイン生産地で、戦後の高度成長期には大量のバルクワインを供給、またシチリア最大の生産者で協同組合の“セッテソリ”が発足しワイン産業が活性化していきましたが、1990年代後半からは中規模の高品質なワイン造りを目指す意欲的な生産者が増え、世界中でシチリアワインブームを巻き起こしました。2000年以降は国際的スタイルのワインから、よりシチリアらしさに注力したテロワールや土着品種を表現するワイン造りにシフトしていき、エトナやパンテレリア、パキーノなどが注目されています。シチリア各地で造られるワインのスタイルは千差万別で、シチリアが誇る偉大なる甘口ワインの伝統も忘れてはならず、イギリス統治時代に誕生した酒精強化ワインのマルサラDOCも有名です。

シチリア料理はこの地を通り過ぎた数々の民族や文明の影響を色濃く残しており、アラブ人がシチリアに持ち込んだとされる米を使った料理アランチーニや、小さな粒のようなパスタ“クスクス”はシチリアを代表する料理の1つに数えられます。柑橘類も大変美味しく、赤いタロッコ・オレンジは有名で、トマトやナスなども非常に良く育ち良質です。アーモンドやピスタチオも素晴らしく、魚は主にマグロやカジキマグロ、イワシ、肉は山羊や羊がよく食されます。カンノーリやカッサータなどのお菓子も有名で、チーズはラグザーノDOPやペコリーノ・シチリアーノDOPが特産です。