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トスカーナ トスカーナ

トスカーナ州

イタリア中部に位置するトスカーナ州は、北はリグーリア州、エミリア・ロマーニャ州、東はマルケ州、ウンブリア州、南はラツィオ州と接しており、西側にはティレニア海が広がり397kmの海外線を持ちます。丘陵地帯が続く非常に美しい州でフィレンツェ、シエナをはじめ世界中の訪問者を魅了する多くの観光名所があり文化財の豊かさは群を抜いており、世界遺産を多数抱えています。

トスカーナ州に文明が花開いたのは紀元前9世紀にエトルリア人が登場してからで、高度な文明を誇りブドウ栽培とワイン造りを伝えました。紀元前3世紀になるとローマ人がトスカーナを支配し、12世紀からの自由都市の時代にはフィレンツェとシエナが頭角を現しました。特にフィレンツェではメディチ家を中心に14、15世紀には稀に見る文化的繁栄を生み出し、ルネッサンスの中心地となりました。1716年にトスカーナ大公コジモ3世が世界初の原産地保護となるワイン産地の境界を定め、カルミニャーノ、キアンティ、ポミーノ、ヴァル・ダルノ・ディ・ソプラの4つを銘醸地として保護しました。19世紀にイタリア統一推進のリーダーとして活躍したリカーゾリ男爵は、キアンティのブレンドを定めた人物としても大変有名です。

豊かで多様な自然に恵まれたトスカーナでは農業と畜産が古くから行われており品質は非常に高く、また中世以来の長い職人の伝統があり、皮革加工、貴金属、繊維、服飾の分野も優れており、当然観光業も重要な産業です。

トスカーナ州は丘陵地帯が66.5%と多く、山岳地帯が25.1%、平野部はわずか8.4%で、内陸部は夏は暑く冬は非常に寒い大陸的気候ですが、海岸部は温暖で雨も少ない地中海性気候です。

国内の他の州と比べると、ワインの生産量は中規模ですが、高品質なワインが多く、キアンティDOCG、キアンティ・クラッシコDOCG、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG、カルミニャーノDOCGなどのイタリアを代表するDOCGをはじめ、ボルゲリDOC、ポミーノDOCなど数多くの著名なDOCがあります。1970年代から始まった「イタリアワイン・ルネッサンス」と呼ばれるイタリアワインの近代化を牽引したのはキアンティ・クラッシコの生産者たちで、規則に囚われない自由な発想で造られたワインはトスカーナIGTの格付のもと「スーパータスカン」と呼ばれ、国際的名声を得ました。トスカーナ州は今もイタリアワイン全体を牽引する代表的な産地です。

トスカーナ料理は素材の味を重視したシンプルなものが多く、素朴ですが大変美味で人気が高く、国内外でも広く知られています。肉を良く食べる州で、生ハム、フィノッキオーナ(フェンネル入りサラミ)、ラルドなど豚の加工肉も豊富で、鶏レバー、仔牛の脾臓などで作ったクロスティーニも有名。スープもよく食され、野菜をたっぷり使ったリボッリータや、トマトソースにパンを入れて煮込んだパッパ・アル・ポモドーロもトスカーナらしい素朴で美味しい料理です。パスタとしては、野ウサギやイノシシのソースで食べる幅広のパッパルデッレという卵入り手打ち麺が有名で、キアナ牛のTボーンステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナはあまりにも有名な名物料理で、牛の胃袋のトマト煮込みトリッパ・アッラ・フィオレンティーナも定番です。海沿いでは魚介類も食べられますが、最も有名なのは唐辛子、ニンニク、トマト、赤ワインを使った魚のスープ、カッチュッコというリヴォルノ料理でしょう。

チーズは羊のミルクで造るペコリーノが主流で、またトスカーナ産オリーブオイルは非常に質が高く、香りが強く刺激的な口当たり、鮮やかなアロマを持ち、トスカーナの素朴な食材を使用したシンプルな料理を格段に美味しくする立役者となっています。トスカーナの農産物は、原産地呼称を持つ高品質で高価格なものも多く、オリーブオイルでもワインのようにヴィンテージ付きの、非常に素晴らしい高級品も存在します。